公開日:2017/05/26 

逆効果になることも?リンパマッサージの注意点と正しい方法

顔や足のむくみを改善できるといわれている、リンパマッサージ。ただし、正しい方法で行わないと逆効果になってしまうこともあります。そこで今回は、リンパマッサージの注意点やマッサージ方法について、詳しくご説明していきます。

リンパマッサージの特徴と効果

そもそも「リンパ」って何?

「リンパ」とは西洋医学的な考え方で、リンパ液・リンパ管・リンパ節の全てを指しています。その内のリンパ液は、白血球の一種であるリンパ球を含む透明な液体です。リンパ液は全身に張り巡らされたリンパ管を通って、体内にある老廃物や余分な水分などを回収します。

また、リンパは体内に侵入した細菌や異物から体を守る、免疫機能を持っているのも特徴です。細菌や異物がリンパ液に回収されてリンパ管を流れていくと、首の周辺や脇の下、股関節などにあるリンパ節に辿り着きます。リンパ節は全身に約800ヶ所あり、このリンパ節で細菌や異物が処理される仕組みになっています。

リンパマッサージとは?

リンパは、体内の老廃物を排出する浄化機能と、異物から体を守る免疫機能を持っています。しかしリンパの流れが滞ってしまうと、老廃物が排出されず体内に溜まってしまいます。それによって、むくみなどが発生してしまう可能性があるのです。

リンパと同じく体内を流れる血液は、心臓のポンプ機能によって全身を巡っています。一方、リンパには心臓のようなポンプ機能がなく、筋肉の動きによって体内を循環しているのが特徴です。そのため、長時間筋肉を動かさないでいると、リンパの巡りが悪くなってしまいます。このリンパの滞りを解消するために行うのが、リンパマッサージです。

リンパマッサージの効果

リンパマッサージによってリンパの流れを促すことで、溜まっていた老廃物や余分な水分を排出することができます。その結果、体のむくみやコリなどの症状を改善させる効果が期待できるでしょう。さらに、リンパマッサージによるリラックス効果によって、乱れていた自律神経を整えることもできるといわれています。

また、リンパマッサージによって「代謝がアップする」といわれることもありますが、これはリンパマッサージによる直接的な効果ではありません。自律神経が整えられることによって、低下していた体の機能が回復し、その結果代謝アップにつながると考えられています。間接的な効果ですので、効果の現れ方には個人差があるでしょう。

リンパマッサージの注意点

強い力でマッサージをしない

適切に行えばむくみの改善が期待できるリンパマッサージ。しかし、間違った方法で行うと逆効果になってしまったり、体調が悪化してしまうこともあります。リンパマッサージを行う前に、注意点を確認しておきましょう。

まず、強い力でリンパマッサージを行うのはNGです。強く押した方が老廃物がたくさん流れそうと思う方もいるかもしれませんが、リンパは皮膚の表面近くを流れているため、強い力は必要ありません。また、リンパは非常に薄くデリケートな部位ですので、強く押すとリンパの流れを止めてしまうことも。リンパの流れを促すためにマッサージをしているのに、これでは逆効果になってしまいます。リンパマッサージは、やさしくなでるように行うことが大切です。

肌を保護して正しい手順でマッサージする

リンパマッサージを行う前には、必ずクリームやオイルを塗り、肌を保護するようにしましょう。肌を保護しないままマッサージをすると、摩擦によって肌がダメージを受けてしまいます。特に顔をマッサージする場合は、摩擦が原因でシミやシワなどが発生しやすいため、注意しましょう。

また、リンパマッサージは、リンパの流れに沿って正しく行うことが大切です。リンパの流れと逆方向にマッサージしたり、適当な場所を押したりしていては、効果を得ることができません。どこをどのようにマッサージすれば良いのかよく調べて、必ず手順通りにリンパマッサージを行うようにしましょう。

リンパマッサージを控えた方が良いケース

以下に当てはまる場合は、リンパマッサージを控えるようにしましょう。体調を悪化させてしまう可能性があります。

■食後2時間以内

血行が促進されて血液が全身を巡るので、胃に行くはずだった血液の量が減ってしまい、消化不良を引き起こす可能性があります。

■飲酒後

マッサージによって血行が促進され、酔いが回りやすくなってしまいます。

■体調不良時

マッサージの刺激によって症状を悪化させてしまうことがあります。また、極度に疲れがたまっているときもマッサージを控えるようにしましょう。

■ケガや湿疹があるとき

傷や炎症を悪化させてしまう可能性があります。

リンパマッサージの方法

顔のむくみを改善するリンパマッサージ

それではここで、リンパマッサージの方法をいくつかご紹介します。顔のむくみを改善するためには、顔だけでなく首や頭皮もマッサージするのがポイントです。

  1. 首を右に3回、左に3回程度回す。
  2. 右手を左耳にあて、ゆっくりと右に倒す。反対側も同様に。
  3. 両手を組んで後頭部にあて、ゆっくりと前に倒す。
  4. あごに手をあて、ゆっくりと後ろに倒す。
  5. 耳の下のリンパを指で持ち上げるように押した後、鎖骨の上のリンパを指で押す。これを数回繰り返す。
  6. 手をグーにして、耳の下のリンパから鎖骨の上のリンパまでゆっくりと数回流す。
  7. 両手の指の腹で頭皮を揉むようにしてマッサージする。
  8. 揉みあげあたりからあごの先まで、指の腹でリンパを流す。これを数回繰り返す。

足のむくみを改善するリンパマッサージ

続いてご紹介するのは、足のむくみを改善するリンパマッサージです。太もものつけ根やひざの裏のリンパ節を意識しましょう。

  1. 両ひざを深く曲げてあぐらをかくように座る。太もものつけ根にあるリンパ節に両手のひらを重ねて置き、ゆっくりと圧力をかける。左右5回ずつ行う。
  2. 軽くひざを曲げた状態で足を伸ばして座り、ひざから太ももに向かって両手でなで上げる。左右5回ずつ行う。
  3. ひざの裏側にあるリンパ節に4本の指をあて、上に向かって左右10回ずつさする。ひざの上も同じように手のひらを使ってさする。
  4. 足首からひざの裏に向かって左右5回ずつさする。
  5. つま先から足首に向かって左右5回ずつさする。
  6. (5)から(1)の順番でマッサージをして、太もものつけ根まで戻る。

経絡リンパマッサージ

最後に、西洋医学と中医学を組み合わせた新しいマッサージ方法、「経絡リンパマッサージ」についてご紹介します。「経絡(けいらく)」とは、中医学的な概念で気や血が循環する通り道のことを指す言葉です。経絡は全身に張り巡らされており、不調をきたすと痛んだりくぼんだりするとされています。この経絡とリンパマッサージを組み合わせたのが、経絡リンパマッサージです。

経絡リンパマッサージでは、基本的なリンパマッサージと同じように、リンパ節に向かって体をさすったり揉んだりしていきます。このとき、コリコリしている部分や痛みを感じる部分があれば、「押す」「叩く」といった動作を加えて刺激しましょう。老廃物を排出し、血行を促す効果を期待できます。

正しいリンパマッサージでむくみを改善!

正しいマッサージ方法でリンパの流れを促し、むくみの改善を目指しましょう。

  • リンパは、体の老廃物を排出する機能と異物から体を守る機能を持つ。
  • リンパマッサージによってリンパの滞りを解消すると、むくみの改善が期待できる。
  • リンパはデリケートな部位なので、やさしくなでるようにマッサージすることが大切。
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