公開日:2017/06/15 

うっかり日焼けをしてしまったときの緊急対処法とは?

うっかり日焼けをそのままにしておくと、のちのち肌のシミやしわの原因となる可能性が高くなるといわれています。緊急対処法を知ることで、すこやかで若々しい肌を守ることにもつながります。日焼けのメカニズムを理解し、適切な対処法を知っておきましょう。

日焼けのメカニズムを知りましょう!

そもそも日焼けってどのような状態のこと?

人間の皮膚は紫外線を浴びると炎症を起こし、赤くなります。うっかり日焼けで皮膚が炎症を起こすのは、紫外線対策を忘れたか、または、紫外線を浴びることを想定していない状況下で紫外線を浴びてしまったためでしょう。まれに、紫外線の人工灯で日焼けが発生することもあるとされますが、一般的な日焼けとは、太陽からの紫外線を過剰に浴びたために起きる急性症状、サンバーンだといわれています。

日焼け自体は、太陽からの紫外線を過剰に浴びた結果、個人個人が持つ皮膚のメラニンの保護能力を越してしまったことによって生じます。日焼けの症状には2種類あり、急性症状、サンバーンのほか、メラニン色素が皮膚の表面に残り褐色の肌に変わるサンタンと呼ばれる状態も、日焼け症状のひとつといわれています。

日焼けの2種類の症状とは?

サンバーンとは太陽に焼かれるという意味があり、やけどをした際と同様、ヒリヒリとした痛みをともなう炎症状態を指します。これは強い紫外線を浴びた結果、肌の表面組織が赤く炎症を起こしている状態です。この炎症を起こした皮膚はターンオーバーによって、やけどなどの傷あとと同じようにはがれ落ち、自然に治まっていきます。

しかし、紫外線は肌の奥の真皮にまで到達し、真皮の弾性繊維を変え、肌のハリを失わせてしまいます。そのため、シミやしわ、たるみの要因となり、このサンバーンを何度もくり返すことで、皮膚ガンの要因にもなります。

一方サンタンは、痛みがほとんど伴わないとされ、メラニン色素によって肌は褐色に色づきます。

メラニン色素の働き

日焼けの症状には、紫外線B波(UVB)を浴びて肌が炎症を起こす「サンバーン」と紫外線A波(UVA)による「サンタン」との2種類あることがわかっています。サンバーンは赤く痛みをともない、一方サンタンは、皮膚が赤くなることはなく痛みもほとんどない状態で褐色に色づきます。

日に焼けた褐色の肌はメラニン色素の働きによってつくられます。本来メラニンは、紫外線が皮膚の奥の真皮まで到達するのを防ぐ働きをする色素です。一般的には地肌が浅黒いほど多く持っているといわれ、多く持っているほどサンバーンの症状が出にくく、肌がすぐに黒くなりやすいことが確認されています。

うっかり日焼けによるリスクとは?

日焼けしやすい人と日焼けしにくい人?

日焼けのしやすさは、メラニンの働きによって決まります。肌がすぐ黒くなる方は、メラニンを作る表皮の下にあるメラノサイトという細胞が、敏感に反応する方だといえます。紫外線を感知すると素早くメラニンを合成するため、肌はすぐに黒くなります。ただしその分、光による老化現象(光老化)は出にくい特徴があります。

反対に、紫外線を浴びると皮膚がすぐに赤くなる方は、メラニンの合成が少ないため、紫外線が真皮まで到達するのを防げません。肌は黒くなりませんが、光老化が進行しやすくなります。

紫外線対策が大事な理由とは?

しっかりと紫外線対策をしていない皮膚は、しわやシミ、たるみなどの光老化がすすみ、皮膚がんのリスクが高くなるといわれています。これは、紫外線が直接遺伝子を傷つけることで起き、色素性乾皮症のような修復機能が壊されたケースでは、紫外線を浴びたことによって皮膚ガンが起こりやすくなることが知られています。また、ごくまれに日焼けが全身性エリテマトーデスの発症の要因になるとの報告もあるようです。

日に焼けて赤くなったのちに褐色になった皮膚でも、遺伝子は傷つき、真皮内のコラーゲン線維がダメージを受けることで光老化は進みます。さらに最近は、肌表面に全く変化がなく褐色にも赤くもならない程度の紫外線でも、遺伝子は傷ついているということが分かってきています。

紫外線が皮膚組織に与える影響

以下は、東邦大学医学部皮膚科学講座からの抜粋です。

環境要因の中でも紫外線(ultraviolet:UV)に多く曝露した側では老化が著しく進行することから、皮膚老化は主にUVが誘導する病態と捉えることができる。光の種類は波長の短い側から Y線、X線、UV(A、B、C)、可視光線、赤外線、μ 波、ラジオ波の順で、地上に到達するUVの比率はわずか6%に過ぎないが、エネルギー量が大きくDNA損傷や免疫抑制などさまざまな影響を及ぼす。波長 280~320nmのUVBは表皮に、320~400nm のUVAは真皮にダメージを与え、角層がUV照射を受けると細胞間脂質や天然保湿因子(natural moisturizing factor:NMF)が減少し、水分保持能力が失われて経表皮水分蒸散量の上昇と角層水分量の低下が起こる

引用元:http://rep.toho-u.ac.jp/modules/xoonips/download.php/TOIZAG063001036.pdf?file_id=2305

このように紫外線が皮膚組織に与える影響は少なくありません。皮膚組織がうけるダメージをできるだけ減らすためにも紫外線ケアや予防をする必要がありそうですね。

うっかり日焼けの緊急対処法とアフターケア

うっかり日焼けの緊急対処

うっかり日焼けは、紫外線対策を忘れたか想定外の状況で紫外線を浴びたための日焼けでしょう。ちょっとした外出時や洗濯物を干すとき、ゴミを出す際にも紫外線は肌を傷つけていますが、赤くなるほどのうっかり日焼けの場合、これは軽いやけど、サンバーンの症状です。最初に炎症を抑えるため、赤くなっている部分やほてっている部分を冷やします。

その際は、冷温湿布や保湿剤も効果があるとされていますが、日焼けした肌に刺激を与えるおそれのある香料や麻酔剤が含まれていないものを選びましょう。冷たい水で濡らしたタオルを利用する、冷たいシャワーを浴びるなどもよい方法でしょう。ほてりが治まったのちには化粧水ではなく、ワセリンなどを塗るのがよいとされています。

日焼けの炎症が治まったら美白ケアを!

うっかり日焼けした後、翌日からのスキンケアでは刺激の少ない敏感肌用化粧品を使うことがおすすめです。少しずつ肌を回復させ、肌が落ち着いてから、メラニンを還元する効果が期待できるとされるビタミンC誘導体などの成分を含んだ化粧品でケアをします。

さらに、保湿や美白成分が含まれた化粧品でターンオーバーを促進させ、通常のスキンケアを続けましょう。(美白成分が含まれた化粧水は人気の美白化粧水ランキングで紹介しています。)

年齢を重ねた皮膚は回復力も弱く、抗酸化作用を持つ酵素も減っているといわれています。うっかり日焼けのダメージがうっかりでは済まないほど、長く残ることも少なくないとされています。日焼け直後のケアは適切に素早く行うことが大事です。また、皮膚科には高濃度ビタミンCの点滴などもあり、医療機関を利用するのもひとつの方法かもしれません。

日焼けの後のスキンケアは体の中からも!

日焼けした後は、活性酸素が大量に生成されてしわやシミを作る要因になるといわれています。注意を払って、日焼け止めを使い紫外線から肌を守っていても、紫外線を完全に遮ることは不可能だとされています。だとすれば、体の中に紫外線に強いとされる抗酸化作用の高い成分を十分に摂取して、防御力を高めましょう。

また、サプリメントを飲用する場合、日焼けした後では効果の期待は薄く、紫外線の強いシーズンは、朝と昼に内服することが推奨されています。最近の美容皮膚科では、飲用して日焼け止めの効果が期待できるとして「ヘリオケア」というサプリメントに人気が集まっているようです。

抗酸化作用があるとされる栄養素には、ビタミンA(カロチン)・ビタミンC・ビタミンEなどのビタミン類のほか、リコピンやL-システイン、ポリフェノールなどがあります。

日々の心がけと日焼け後のケアが大事です

  • 日焼けとメラニンの関係を知り対策をしましょう
  • 日焼けには2種類の症状があります
  • 紫外線対策は重要
  • 日焼け後のスキンケアはしっかり行いましょう

マッサージなどで血流を促して、肌のターンオーバーを促すことによって健康な肌を守り、毎日の外出の際や日々の紫外線ケアを365日怠らないように心がけましょう。

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