公開日:2017/06/26
先取り貯蓄の仕組みとやり方。失敗回避のためには家計も把握しよう
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「お金を貯めたいのに、うまくいかない」という人は多いのではないでしょうか?そんな人におすすめしたいのが『先取り貯蓄』です。効果が出やすい貯蓄方法として知られる、先取り貯蓄の仕組みからやり方、失敗しない方法まで、詳しく解説します。
先取り貯蓄を仕組み化するやり方って?
貯蓄が苦手な人でもお金を貯めやすい『先取り貯蓄』は、『仕組み化』できます。具体的に、どのようにすれば良いのでしょうか?
先取り貯蓄ってどんなテクニック?
先取り貯蓄とは、貯金したい一定の金額を決めておき、給料が手元に入ったら、先にその金額を別口座に移しておく貯蓄方法です。そして、残りのお金で、1カ月やりくりして生活します。
生活費と貯蓄にまわすお金を、同じ口座に入れておくと、つい使い込んでしまう場合もあります。しかし、先取り貯蓄のように、先に貯蓄分を違う口座に移しておくことで、使い込みを防ぎます。先取り貯蓄は、貯蓄方法としては、もっとも一般的で効果が出やすいと言われています。
こんな人に向いている
先取り貯蓄に向いている人は、『家計簿をつけるのは面倒だけど、貯金したい人』『生活費を管理する口座にお金があると、つい無駄遣いをしてしまう人』『2年後までに100万円貯めたいなど、貯蓄の目標が明確な人』です。
反対に、残ったら貯蓄する方が向いている人は、『初めて貯金をする人』『先取り貯蓄のように、貯蓄分を取った後、残りのお金でやりくりする方法にストレスを感じる人』『家計簿をつけている人』などです。
先取り貯蓄を仕組み化するやり方は2種類
『先取り貯蓄を仕組み化する』やり方は、2種類あります。それぞれ、どのような方法か見てみましょう。
銀行で自動積み立てをする
先取り貯蓄の方法として、まず挙げられるのは、『銀行での自動積立定期預金』です。毎月指定した日に、指定した金額が、自動的に普通預金口座から定期預金に振り替えられる仕組みで、自分でわざわざお金を別口座に移す必要がありません。
給与振込口座で設定しよう『銀行での自動積立定期預金』は、勤務先の給与振込口座で設定すると良いでしょう。給与から天引きされ、貯蓄分が先に別口座に移るため、給与振込口座には貯蓄分が引かれた金額だけが入金されます。
その中でやりくりして生活することで、貯蓄分は手元に来ないまま、先取り貯蓄用の別口座にお金が貯まっていきます。
勤務先で先取り貯蓄をする
勤務先に『社内預金』や『財形貯蓄制度』があるなら、勤務先で先取り貯蓄をすることも可能です。この場合も毎月の給与から、指定した金額が天引きされ、定期預金に積み立てられます。
3種類ある財形貯蓄財形貯蓄には3種類あり、お金の利用目的に応じて、『一般財形貯蓄』『財形年金貯蓄』『財形住宅貯蓄』に分けられています。財形貯蓄の積み立ての保管・管理先は、銀行などの金融機関で、金利も金融機関の預金金利と同じ水準です。
3つの財形貯蓄の中で、貯蓄の目的が限定されないのは『一般財形貯蓄』です。積み立て期間は3年以上で、積み立てを始めてから、1年間は払い戻しができません。しかし、それ以降は自由に払い戻しができるので、使い込みを防止する効果もあります。
『財形年金貯蓄』は、老後の年金を増やす方法として利用されます。貯蓄した分は、満60歳以降、5~20年の間に、年金として受け取ることが可能です。『財形年金貯蓄』は、一般財形貯蓄とは違い、税制面でのメリットがあり、元本550万円までは利息が非課税となります。
『財形住宅貯蓄』は、マイホームの購入・建設・リフォームなどに使う資金を貯めることを目的としています。財形年金貯蓄と同様に、元本550万円までは利息が非課税です。
財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の両方を利用する場合は、2つの財形貯蓄の合計額が550万円までが非課税になります。
社内預金や持株会も検討しよう会社に、『社内預金』や『従業員株会』があるなら、そちらも検討してみましょう。
『社内預金』も、毎月給与から指定した金額が天引きされ、定期預金に積み立てられる制度ですが、お金の保管・管理をするのは勤務先です。
これは福利厚生制度のため、厚生労働省より金利の下限が設定されています。優遇金利は0.5%です。また、自由に引き出すこともできます。
『従業員持株会』は、毎月給料から一定の金額が天引きされ、そのお金で勤務先や親会社などの株を買うシステムです。証券会社で株を買う場合と違い、一定の少ない金額でも株を買えるという特徴があります。
『社内預金』や『従業員株会』にはメリットも多いですが、勤務先が倒産するリスクも考えておく必要があります。
先取り貯蓄を仕組み化しても失敗、何故?
貯蓄方法として良いと思われる先取り貯蓄を試しても、失敗してしまったという人もいます。その理由はなぜなのでしょうか?
家計の把握が大前提
『先取り貯蓄をしてもお金が貯まらない、残らない』のは、「貯蓄しているはずだ」という意識が先行してしまい、家計の具体的な数字が見えていないためです。
生活費が足りなくなったからと、貯蓄したお金を引き出していては、お金は貯まりません。先取り貯蓄を成功させるには、『家計の把握』が大切です。家計にかかる費用=支出を、実際に数字で把握してみましょう。
手書きの家計簿・アプリやパソコンソフト、どの方法で行っても構いません。支出を記録していきましょう。あまり細かくなり過ぎず、1円単位は切り捨てても大丈夫です。1~2カ月続けると、生活の中で使う、だいたいの金額が分かるようになります。
支出額を把握してから、先取り額を決める
支出額が分かったら、収入との差額を計算しましょう。支出が収入を上回っていないかもチェックしましょう。
収入と支出の差額から、毎月安定して余剰金が出るなら、それは先取り貯蓄にまわしても大丈夫な金額です。もし、毎月のやりくりの中で余剰金が出ないのであれば、支出を抑える方法を考えなければいけません。
先取り貯蓄が成功するかどうかは、この『余剰金を作ることができるか』が大切です。
先取り貯蓄以外で仕組み化したいこと
貯蓄方法として、先取り貯蓄以外にも、良い方法はあるのでしょうか?
毎月の予算を決める
自分で『毎月の予算を決める』ことで、貯蓄していく方法もあります。
手取りの収入から、家賃や固定費を引いた後、貯蓄にまわす金額を逆算し、自分が使えるお金を設定します。そして、その金額を超えないように、やりくりして生活します。
現金でもカードでも、使った金額は、毎日記録しておきます。使ったお金を加算していくことで、今月は、あといくら使えるという風に把握でき、また、その設定した金額を超えなければ、貯蓄は必ずできています。
お金を使うルールを決める
『お金を使うルールを決める』ことで、貯蓄に成功している人もいます。気の向くままに買い物するのではなく、毎回、それが『自分にとって本当に必要であるのか』『お金を出す価値があるのか』を考えるのです。
そのように、買う際に冷静になることで、無駄な出費は自然と減っていき、貯蓄にまわすお金が残ります。
先取り貯蓄を仕組み化して、確実な貯金を!
給料から先に貯蓄分を別口座に移しておく先取り貯蓄は、初心者でもお金を貯めやすい貯蓄方法です。
また、先取り貯蓄を自動的に行えるよう『仕組み化』することで、さらに便利に確実に貯金できるようになります。お金がなかなか貯まらないという人は、ぜひ活用してみましょう。