公開日:2017/12/11
防風通聖散の副作用って下痢以外にもある?飲み合わせも解説
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「漢方薬の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)って副作用があるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで、防風通聖散の副作用として、下痢など代表的な症状を説明します。防風通聖散が合う人、合わない人や、薬の飲み合わせもご紹介しますのでぜひご一読ください。
防風通聖散の代表的な副作用
激しい腹痛を伴う下痢など消化器系の症状
お腹周りの脂肪燃焼を促進し、デトックス効果もある防風通聖散。ダイエットのサポートに使いたいという方も多いでしょう。
しかし、気をつけたいのが副作用。代表的なものが、消化器系に出る症状で、激しい腹痛を伴う下痢や吐き気、食欲不振などです。
そもそも防風通聖散には、便を出しやすくする効果のある生薬、大黄(だいおう)と無水ボウショウが配合されています。そこへ、普段から胃腸が弱くお腹を下し気味の人が服用すると、下痢を引き起こす可能性が高まる結果に。
「下痢は好転反応?」と解釈する人もいますが、これは立派な副作用ですので放置はNGです。これらの症状が出た場合は体に合っていない可能性もありますので、すぐ医療機関を受診してください。
発疹やかゆみなど皮膚系の症状や精神神経系の症状も
発疹やかゆみなど、皮膚系の症状が出る場合は、防風通聖散に含まれている成分のどれかに対してアレルギー反応が出ているのかもしれません。
アレルギーだと気づかずに飲み続けていると、アレルギーがますます悪化する可能性が高くなりますので、この場合も服用を止めて医師に相談しましょう。
また、防風通聖散には精神神経系の副作用も見られます。不眠や発汗が多くなったり、どうきが激しくなったりといった症状が見られたら精神神経系の副作用です。
全身脱力感や精神興奮などの形で現れる場合もありますので、見過ごさないように気をつけてください。
肝機能障害や間質性肺炎など重篤な副作用
さらに、とても重い副作用としては、肝機能障害や間質性肺炎が挙げられます。肝機能障害の場合は、黄疸や身体が全体的にだるくなる倦怠感が出たら副作用の可能性を考えてください。
肝臓はなかなか症状が表に出ず分かりにくいため、少しのサインも見逃さないことが重要です。
間質性肺炎の初期症状は、少し動くと息切れがして体力がない、やたら空せきがでる、呼吸困難といったものです。
少し歩いただけでも息切れがして、自分でもおかしいと感じたら副作用の可能性が高いので、すぐ病院で確認してもらいましょう。
その他にも、低カリウム血症の結果発症するミオパチーの症状として脱力感、四肢けいれんやまひ、浮腫や体重増加などの症状なら偽アルドステロン症などと、気をつけるべき症状はありますので、後ほどお伝えします。
防風通聖散に向いている人向いていない人
防風通聖散に向いている人
そもそも、防風通聖散に向いている人とはどのような人でしょうか。防風通聖散は、体力がしっかりあってお腹周りに脂肪がつき、便秘がちの傾向がある体質の人用の漢方薬です。
漢方薬で言うところの証(体質や症状)が合っている人でないと、なかなか効果を実感できないのです。
「体力がある人」と指定があるのに体の弱い人が飲むと、副作用ばかりが出て期待した効果は出ないという悲しい結果になりかねません。
「便秘気味」と指定があるのに普段から胃腸の調子が今ひとつ優れない人が飲むと、当然下痢気味になるでしょう。薬の性質を考えて、自分に合った飲み方をしましょう。
防風通聖散に向いていない人
では、防風通聖散に向いていない人とはどのような人でしょうか。まず一番に挙げられるのは、先ほどご紹介した虚弱体質の人や胃腸の弱い人です。
「証」に合致していない人は、どうしても効果が出にくいため、自分の体質に合った肥満症解消の薬を別に探す必要があります。
また、防風通聖散を使用するべきではない人もいます。それは、今赤ちゃんに授乳中の母親です。防風通聖散に含まれている大黄のアントラキノン誘導体が、母乳を通して赤ちゃんの体に入って下痢を起こしてしまう可能性があります。
また、小児が防風通聖散を飲むのも、安全なデータがないため実行するべきではないと言われていますので、心に留めておきましょう。
防風通聖散を飲む前に相談するべき人
また、防風通聖散を服用が禁じられているというわけではないですが、服用前に医師やその薬を飲んでいいのか相談してから、慎重に飲むべき人もいるようです。
- 高齢者:体力が衰えているため、分量を減少するなど、より慎重な投与が求められます。
- 妊婦や妊娠の可能性がある人:防風通聖散に含まれている大黄や無水ボウショウが、子宮収縮を促して流産になる可能性も。
- 病気治療のために食塩を制限している人:無水ボウショウが入っているので、防風通聖散を継続で使い続ける時には、相談する必要があります。
これらの条件が当てはまる人は、服用前に薬局または医療機関で相談していくことをおすすめします。
防風通聖散と他の薬との飲み合わせ
甘草などは低カリウム血症になる可能性あり
防風通聖散を飲むときに、他の漢方薬と重複する生薬成分がある場合は注意が必要です。
例えば、漢方薬の処方の多数に含まれている甘草(かんぞう)は、防風通聖散と一緒に飲むと、一日の上限を越えてしまいます。低カリウム血症からくるミオパチーや偽アルドステロン症の症状が出る可能性があります。甘草を含む漢方薬と言えば、葛根湯などが有名です。
低カリウム血症の初期症状としては、全身の脱力感や手足御痙攣、麻痺があります。これらの症状が少しでも出たら、薬の服用をストップしてすぐにでも医療機関に相談しましょう。
不眠など精神神経系症状が出る可能性のある薬
交感神経刺激作用のある薬を防風通聖散と併用すると、精神神経系の副作用が現れやすくなります。不眠や発汗が多くなった、脈が速いなどの症状が強くなりますので気をつけてください。
具体的には、以下の薬が交感神経刺激作用のある薬です。
- 麻黄(まおう)を含む漢方薬
- エフェドリン類を含む市販の感冒薬
- モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
- 甲状腺製剤:チロキシンリオチロニン
- カテコールアミン製剤:アドレナリン イソプレナリン
- キサンチン系製剤:テオフィリンジプロフィリン
特に気をつけたいのは、市販の風邪薬でしょう。防風通聖散を服用している時に風邪をひいてしまったら、医療機関を受診して、防風通聖散を服用していることを告げるようにしてください。
大黄など下痢の作用を含む薬も要注意
他に飲み合わせとして気をつけたい薬は、大黄(だいおう)など下剤の作用があるものです。防風通聖散の中にも大黄が含まれていますので、便がゆるくなる副作用が出る確率が高くなります。
大黄甘草湯や麻子仁丸(ましにんがん)、刺激性下剤など、「下剤」と名の付く薬と一緒には飲まないようにしましょう。
基本的に、漢方薬を複数飲むことはおすすめできません。漢方薬は複数の生薬を細かい処方で配合した薬です。生薬は種類ごとに一日の上限量が決まっていて、漢方薬はその上限を超えないように処方されています。
複数種類の漢方薬を合わせると、生薬の中には摂取量の上限をたやすく超えてしまうことは容易に想像できますよね。防風通聖散を服用し続けることを考えている方には、知っておいていただきたい知識です。
防風通聖散の副作用を知って正しい服用を
防風通聖散の副作用と他の薬との飲み合わせについてまとめました。
防風通聖散の主な副作用は、下痢などの消化器系症状やかゆみ、発疹などの皮膚系症状です。防風通聖散に合う人は、体力があってお腹周りに脂肪がついていて便秘気味の人。
基本的に漢方薬は複数種類を飲まないようにしましょう。飲み合わせの悪い薬もいくつかあるので、他の薬を飲む場合は必ず医師に相談してくださいね。
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