公開日:2017/06/26 

体の中から綺麗になる食用油脂(あぶら)との付き合いかた

カロリーが高くて食べ過ぎはお肌のトラブル原因にもなる食用脂肪(あぶら)。どちらかというと健康・美容にマイナスイメージですが質を見極めて食べ方を工夫することによって正反対のイメージに変えることができます。

食用油脂(あぶら)とは

動物性脂肪と植物性脂肪

まず大まかなところで動物性脂肪と植物性脂肪に分かれます。動物性脂肪とは獣肉(豚・牛・羊など)、鶏肉(鶏・鴨など)のあぶらみ(脂身)や牛乳・バター・チーズ・ヨーグルトといった乳製品類です。植物性脂肪とはキャノーラ油、コーン油、ごま油、大豆油、紅花油、オリーブ油などです。動物性脂肪については「脂」の字が使われ、植物性脂肪には「油」の字が使われる事があります。漢字を見るとイメージを捉えやすいかもしれません。

  • 脂は漢字の偏が「体」を表すにくづき(常温で固まるあぶら)・・・動物性脂肪
  • 油は漢字の偏が「水」を表すさんずい(常温で固まらないあぶら)・・・植物性脂肪

動物は体温が高いので脂肪の融点が高くなり、その脂肪だけを取り出すと「常温で固まるあぶら」になります。しかし、動物性脂肪でも魚類は冷たい水中を泳ぐので脂肪の融点は低くなります。またココナッツオイルのような植物性脂肪にも常温で固まる油があります。

飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は分子の構成成分の炭素原子が水素原子と安定的に結ばれている(飽和している)状態で酸化しづらい油脂です。安定的に結ばれているとは個体の状態ということです。

一方(一価・多価)不飽和脂肪酸は分子の構成原子が安定的に結ばれていない(飽和していない)状態のあぶらです。一価不飽和脂肪酸とは1つの安定的でない原子があるもの、多価不飽和脂肪酸は2つ以上の安定的でない原子があるものです。多価不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸に比べてより酸化しやすい液体のあぶらです。

オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸・オメガ9脂肪酸

オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸とは食用油脂に含まれる脂肪酸の種類の違いです。オメガ3脂肪酸にはαリノレン酸・エイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあり、イワシ・サバ・サケ・ニシンなどの魚類に豊富です。植物性脂肪ではエゴマに多く含まれます。オメガ6脂肪酸にはリノール酸・γリノレン酸・アラキドン酸があり、大豆油、コーン油、綿実油、ごま油などに含まれます。どちらも体内で作ることのできない必須脂肪酸なので食事から摂取しなくてはなりません。数ある身近な食用油脂の中でオレイン酸と呼ばれるオメガ9脂肪酸を豊富に含むものは多くないのですが、オリーブ油が代表的です。

脂肪酸の身体への影響

飽和脂肪酸の多い食事を続けると

「獣肉・鶏肉・乳製品などの動物性脂肪(飽和脂肪酸)の多い食事は動脈壁にコレステロールが沈着して動脈硬化になる危険性がある。」ということは残念ながら広く認識されるところとなりました。欧米型の食事と言い換えることもできます。例えば、朝食はベーコンエッグとバタートースト、ドレッシングがたっぷりのサラダ。昼食はカレーやパスタ、ラーメンにハンバーガーなど。午後の小休止には缶コーヒー。そして、1日の最後の食事もお肉料理は外せません、といったところでしょうか。日々の食事がここまでがっつりではないとしても、危険な落とし穴があります。それは気軽につまんでいる、市販のお菓子類なのです。バターやラードなど、見えないところでたっぷりと使われています。

酸化しやすい多価脂肪酸の多い食事、大丈夫?

原子レベルで注目すると、常温で固まらない液体の植物性脂肪は安定的でない原子が2つ以上含まれています。このようなオイルの分子はできるだけ早く安定したいので酸素と結びつきやすくなります。その結果が「酸化」の状態です。そのまま安定しているだけなら良いのですが、酸化した分子は非常に反応性が高まります。敏感になった分子は細胞へ悪影響を及ぼし、変化した細胞は身体の老化を早めることに。結果的にがんになる危険性を高めてしまいます。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスを欠いた食事をは危険

体内で作ることができないために、健康と美容のためには食事から摂取しなければならない必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は拮抗(きっこう)の関係にあり、双方の割合バランスが重要になります。理想は1:1から1:4といわれています。しかし、外食産業の料理や加工食品の多くは安価で使い勝手の良い大豆油・コーン油(共にオメガ6脂肪酸)が利用されています。理想的な1:1から1:4のバランスは簡単に破られてしまい、最大1:30の割合であるともいわれています。その結果、アレルギー症状を起こしやすくなったり、うつの状態に陥りやすくなったりします。

食用油脂(あぶら)の選び方と食べ方

身体に良いあぶらの選び方

食材、調味料、そして加工食品を細かく見ていくと日頃口にする食物には予想以上に食用油脂が多く含まれているようです。そこで、質を見極めて選ぶということが何より大切です。

  1. 動物性脂肪(飽和脂肪酸)を少なめにして植物性脂肪(不飽和脂肪酸)中心の食事を選ぶ。
  2. 植物性脂肪は多価脂肪酸を含むものが多いので、酸化していない新鮮な状態のオイルを選ぶ(遮光ボトル入りで使い切りの早い小さいサイズなど)。
  3. オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は1:4のバランスが大切。イワシやサケなど新鮮な魚介類に含まれるオメガ3脂肪酸を忘れずに食事に取り入れましょう。また、必須脂肪酸ではありませんがオレイン酸のオメガ9脂肪酸には酸化・活性酸素を防ぐ働きがありますのでこちらも忘れずに。

忘れてはいけないポイント

細胞レベルで大きな役割を果たす脂肪を、食用油脂としての食べ方から見直すことは健康と美容にはとても意味のあることでしょう。ポイントはまず酸化していない食用油脂を選ぶことです。空気にさらされたものや製造から時間が経って古くなったもの、また熱を何度も加えたものは避けます。例えば健康に良いと注目されている亜麻仁油。残念ながら非常に酸化しやすいため、熱を加えることは避けた方が良いですが、サラダのドレッシングにそのまま使う場合でも食べる直前にかけることをお勧めします。容器から注いで空気に触れるとすぐに酸化が始まりますのでご注意ください。

外食を少なくしたい理由

外食・加工食品を減らした方が健康と美容に良いことはもちろんですが、実際に多くの理由から難しいことも事実です。忙しい日常でお腹が減った時に目の前にある食べ物がどのような調理過程を経てきたものかを少しだけ想像してみたら、いかがでしょうか。例えばエビフライ、コロッケ、鶏の唐揚げなどです。舞台裏では色が変わるほど何回も使いまわされている揚げ油。業務用では若干のシリコンが油に含まれているので扱いやすくなり、さらに回数を重ねることも可能です。

使いやすくて安心なのはオリーブ油

サラダ油、キャノーラ油、ごま油、オリーブ油などのパック詰めされた植物性食用油だけでなく、肉・魚・乳製品、加工食品などを含めると食用油脂は身の回りに溢れています。それだけ健康も美容もそして病気も食用油脂次第ということがいえるのかもしれません。まるで、あぶら選びの迷宮に迷い込みそうです。

そのような場合は酸化に強いオリーブ油をお勧めします。オリーブ油は冷蔵庫に入れたり、寒い室内などで気温が下がったりすると白濁して固まり始めます。これは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両方の特徴を併せ持っているということになります。

ですから健康に安心な植物性油脂であり、さらにオリーブ油に含まれるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸に分類されます。多くの植物性油脂は多価不飽和脂肪酸に分類されることに対し、唯一といえるほどに酸化に強く安定した植物性油脂ということになります。しかし、油脂(あぶら)はほとんど全てが200度に達すると毒素が発生します。煙が出るほどに熱してしまうと、やはりオリーブ油でも良くありませんのでくれぐれも火加減はほどほどに。

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Editor's Information

体の中から綺麗になる食用油脂(あぶら)との付き合いかた
伊部 久仁子(いべ くにこ)
芯美道家「ハルモニアハウス主宰」。
「食べる物を変えれば体が変わり、体が変われば人生が変わる」を掲げ活動中。
2015ミス・ユニバース・ジャパンビューティーキャンプ講師。


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