公開日:2017/05/17 

顔の傷跡が気になる!傷跡をはやく消すにはどうしたらいい?

顔に残る傷跡、とっても気になりますよね。傷自体は治っているのに、傷跡だけがなかなか消えずに困っている……という方も多いかもしれません。そこで今回は、顔にできた傷跡を早く消す方法を、傷跡ができる原因とともに詳しく紹介します。

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なぜ傷跡が残ってしまうの?

傷はどのように治っていくの?

ケガなどでできた傷は、炎症期・細胞増殖期・成熟期という3つのステップを経て、治癒されていきます。ひとつめの「炎症期」は、傷口に白血球が集まり、細菌や異物を殺菌してきれいにしている状態です。傷口が熱を持ったり、腫れや赤みなどが発生したりするといわれています。

炎症期の次の「細胞増殖期」は、傷口を修復していく段階です。神経芽細胞(しんけいがさいぼう)によって生み出されたコラーゲンが、肉芽組織(にくげそしき)となって、欠損した部分を埋めてくれます。そして、この肉芽組織を足場にして表皮が再生していくといわれています。

その後、肉芽組織が瘢痕組織(はんこんそしき)に変わり、傷が安定するのが「成熟期」です。皮膚にできた傷は、このような過程を経て自然に治っていきます。

傷跡ができる原因とは?

傷が治る過程で発生する肉芽組織や瘢痕組織は、健康な皮膚とは色や形状が異なっています。そのため、表皮が再生されてもその下にある肉芽組織や瘢痕組織が透けて、「傷跡」として目立ってしまうのです。小さな傷の場合はあまり気になりませんが、深い傷の場合は肉芽組織や瘢痕組織が多く作られるので、傷跡として目立ちやすくなります。

そのほか、傷が治る過程でコラーゲンが異常に生成されて、赤く盛り上がった傷跡ができることもあります。これは、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと呼ばれる傷跡です。傷口が化膿して炎症期が長くなったり、傷が治る過程で皮膚が過剰に引っぱられたりすると、このような盛り上がった傷跡が残りやすくなります。

傷跡を残さないようにすることが大切

傷は時間が経てば自然に治癒されていきますが、傷跡はなかなか消すことができません。傷ができてから治すのではなく、傷跡を作らないように意識しましょう。傷跡を残さないようにするためのポイントは、以下の2つです。

傷口を清潔に保つ

傷口から感染し炎症が長引くと、細胞増殖期も長くなり、コラーゲンが過剰に生成されやすくなります。盛り上がった傷跡を作らないためには、傷口を清潔に保ち、感染や化膿を防ぐことが大切です。

傷口に刺激を与えない

傷が治る過程で傷口が引っ張られたり、乾燥や紫外線による刺激を受けたりすると、傷跡が残りやすくなります。また、傷口にできたかさぶたを無理にはがすのもNGです。テーピングを施すなどして、傷口への刺激をできる限り避けるようにしましょう。

傷跡をはやく消すためには?

ターンオーバーを促して徐々に薄くする

すでにできてしまった傷跡を、セルフケアのみですぐに消すことは難しいといわれています。しかし、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーを促すことで、傷跡を徐々に薄くしていくことなら可能でしょう。

ターンオーバーの速度は、体の部位や年齢によって多少異なりますが、だいたい28日~56日程度となっています。加齢によって新陳代謝が低下し始める30代~40代だと、ターンオーバーの周期は45日程度といわれています。そのため、傷跡は年齢とともに消えにくくなります。

また、ターンオーバーが遅くなる原因は年齢だけではありません。若い方でも、スキンケアや生活習慣によってターンオーバーが遅くなることもあります。年齢に関わらず、ターンオーバーを正常に保てるように意識していきましょう。

スキンケアでターンオーバーを促す

ターンオーバーとは、表皮の一番内側にある基底層(きていそう)で新しい細胞が生まれ、表面に押し上げられていくことを指します。しかし肌が乾燥すると、基底層での細胞増殖が衰えてしまい、ターンオーバーが乱れてしまうことがあります。

そのため、ターンオーバーを促して傷跡を薄くするためには、肌の保湿が非常に重要といわれています。化粧水で肌に水分をたっぷりと与えたあと、油分を含むクリームなどを塗り、肌の水分の蒸発を防ぐようにしましょう。特に、セラミドなどが配合された保湿化粧品を使用するのがおすすめです。
化粧水で美白対策!人気の美白化粧水ランキングのページでも解説している通り、肌がきちんとターンオーバーできていれば、傷跡が早く治るだけじゃなくシミの予防や改善にも効果を発揮します。

そのほか、古い角質を除去するピーリングによってターンオーバーを整える方法もあります。しかし、ホームケアだとやりすぎてしまう恐れもあるので、クリニックのケミカルピーリングを利用した方が良いでしょう。

食事や生活習慣でターンオーバーを促す

ターンオーバーを促進するためには、スキンケアだけでなく食事や生活習慣も重要です。バランスのとれた食事と規則正しい生活、良質な睡眠、そして適度な運動を意識していきましょう。

特に毎日の食事では、ターンオーバーを促す食べ物を積極的に取り入れるのがおすすめです。摂取したい栄養素と食べ物を、いくつかご紹介します。

  • ビタミンA:皮膚を修復してターンオーバーを促す栄養素。緑黄色野菜、鶏・豚のレバー、うなぎなどに含まれる。
  • ビタミンB群:皮膚や粘膜の発育を促す栄養素。豚肉、大豆、乳製品、まぐろなどに含まれる。
  • ビタミンC:抗酸化作用があり、コラーゲンの生成にも関わる栄養素。いちご、みかん、ブロッコリーなどに含まれる。

このほか、ビタミンEや亜鉛、セラミドを含む食材もおすすめです。

クリニックでの治療がより効果的

シリコーンジェルシートで傷跡を消す

ターンオーバーを促進させても、肥厚性瘢痕やケロイドなどの赤く盛り上がった傷跡は、なかなか消すことができません。重度の傷跡を消すためには、クリニックでの治療がおすすめです。傷跡の治療法にはさまざまな種類がありますので、医師に相談して適切なものを選びましょう。

まずご紹介するのは、「シリコーンジェルシート」を使った傷跡の治療法です。傷跡をシリコーンジェルシートで圧迫することで、赤く盛り上がった部分を小さくすることができるといわれています。傷跡にシートを貼るだけですので、気軽にできる治療法です。

市販のシリコーンジェルシートもありますが、扱いを間違うとトラブルが発生する恐れもありますので、クリニックで処方してもらうようにしましょう。

レーザー治療で傷跡を消す

クリニックでの傷跡治療として特に有名なのが、レーザーを使用した治療方法です。レーザー治療にはいくつかの種類があり、傷跡の種類によって有効なものがそれぞれ異なります。

まず、赤く盛り上がった肥厚性瘢痕やケロイドに効果的だといわれているのが、「色素レーザー」です。傷跡の赤みを薄くしたり、盛り上がった部分を平らにしたりする効果を期待できます。

一方、へこみのある傷跡に用いられているのが、「炭酸ガスレーザー」や「YAG(ヤグ)レーザー」です。傷跡の段差を削って、皮膚を平らにしてくれます。そのほか、皮膚に小さな穴をあけて肌の再生を促す、「フラクショナルレーザー」が使用されることも多いようです。

傷跡を切除する手術を行う

傷跡を切除して皮膚を縫い縮める手術もあります。傷跡そのものを取り除いてしまうので、なかなか消すことができない重度の傷跡におすすめです。ただし、手術によって皮膚が引っ張られて、肥厚性瘢痕が再発してしまうこともあるため注意しましょう。

傷跡が再発しにくい手術方法としては、表皮ではなく真皮を縫い合わせる「真皮縫合」などが挙げられます。表皮の下にある真皮を縫合することで、縫合後の傷が目立たなくなり、さらに傷口のつっぱりも防止できるのです。

そのほかにも、しわの方向に合わせて縫い合わせる「W形成術」や、ひきつれを改善する「Z形成術」など、さまざまな方法があります。形成外科で医師とよく相談し、適切な手術方法を選びましょう。

セルフケアとクリニックでの治療で傷跡を改善

  • 肌のターンオーバーを促すことがポイント
  • ターンオーバーの促進には、肌の保湿とバランスの良い食事、規則正しい生活が大切
  • 重度の傷跡にはクリニックでの治療が効果的

顔にできた傷跡は、スキンケアやクリニックでの治療などによって改善できるといわれています。ただし傷跡が消えるまでには時間がかかるので、以上のポイントを意識してみましょう。

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