公開日:2017/06/15
こんにゃくを食べ過ぎると便秘が悪化するって本当?
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便秘解消に効果があると言われているこんにゃくですが、最近「こんにゃくを食べると便秘になる」という話が聞かれます。それは本当なのでしょうか?そのメカニズムについて詳しく説明していきます。
便秘対策にはこんにゃく!は間違い?
便秘対策には食物繊維が必須!
「健康には腸内環境が大切」と言われているように、便秘になると体調が悪くなりがちです。便秘薬を服用するのも1つの方法ですが、薬に頼り過ぎるのも抵抗がありますよね。
そこで見直したいのが「食生活」です。便秘に効果的な栄養素と言えば、食物繊維がいちばん最初に思い浮かぶかと思います。そもそも何故食物繊維が便秘に効果があるのでしょうか?
食物繊維は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、スムーズな排便を促します。また、腸内の善玉菌を増やす一方で、悪玉菌を減らしてくれる働きがあります。
さらに、腸内の有害物質を吸収する働きがあり、腸をきれいにしてくれるのです。これらの働きにより、食物繊維を摂ることで便秘の解消につながると言われています。
こんにゃくは食物繊維が豊富!
食物繊維は、さまざまな食材に含まれています。ごぼうやさつまいも、キャベツやニラなどの野菜類、果物やきのこ類、豆類、海藻類にも多くの食物繊維が含まれています。こんにゃくも食物繊維が多く含まれている食材として、便秘対策に好まれる食材です。
こんにゃくは、こんにゃく芋から作られていて、こんにゃく芋には食物繊維が豊富なのです。また、こんにゃくにも「マンナン」という食物繊維も含まれています。まさにこんにゃくは、食物繊維の塊なのです。
また、こんにゃくのプリプリとした食感が好きという人も多いものです。アクぬきをすれば全くクセがなくなりますから、食べやすいという特徴もあります。
こんにゃくにはダイエット効果も!でも…
こんにゃくは食物繊維が豊富というだけではありません。先程述べたように、こんにゃくにはマンナンという食物繊維が含まれています。正式には「グルコマンナン」と呼ばれているのですが、グルコマンナンは水を吸収しやすいという特徴があります。
こんにゃくと水分を一緒に摂ることで、少量でも満腹感が得られ、ダイエット効果も期待できるのです。こんにゃく自体ノーカロリーなので、食べても太らないという安心感もあります。
食物繊維が豊富で便秘解消に役立ち、ダイエット効果もあるこんにゃくは、きれいになりたい女性に好まれる食材とも言えるでしょう。
しかし、近年「こんにゃくを食べ過ぎると便秘になりやすくなる」「こんにゃくを食べ過ぎると腸閉塞(ちょうへいそく)の原因になる」という話も聞くようになったので注意が必要です。
こんにゃくを食べ過ぎると便秘になる理由とは
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類ある
こんにゃくを食べ過ぎると、何故便秘になりやすくなるのでしょうか?実は、こんにゃくに含まれる食物繊維に原因があるのです。「食物繊維は便秘解消になるんじゃないの?」と思いますよね。
そもそも食物繊維には2種類あります。「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」です。水溶性食物繊維は、水に溶けやすい性質を持った食物繊維です。糖質や脂質の吸収を抑え、コレステロールを下げる働きがあります。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、腸にたまりやすい性質があります。水を吸収して便の量を増やすことで、排便を促す効果があります。
こんにゃくに含まれるグルコマンナンは、もともと水溶性食物繊維ですが、こんにゃくが作られる過程で不溶性食物繊維に変化することが分かってきたのです。
不溶性食物繊維が便秘になりやすい理由とは?
不溶性食物繊維は、摂り過ぎると便秘の原因の1つになりかねません。不溶性食物繊維は、消化酵素によって消化・吸収されない成分。言い換えれば「食べ物のカス」です。
消化・吸収できないということは、腸にとどまるということ。この性質が、結果的に腸内の水分を吸収し、便の量を増やすことで排便を促す効果がある、ということになります。
不溶性食物繊維はスムーズな排便を促すために必要不可欠な栄養素ですが、摂り過ぎると腸内にたまり、便秘の原因になることがあります。また、便が腸内にたまることで、有毒なガスが発生します。
腸内環境を良くするために食物繊維を多く摂っているのに、摂り過ぎることで逆に腸内環境を悪くしてしまっていることになるのです。
不溶性食物繊維は何に含まれるの?
不溶性食物繊維は、実は多くの食材に含まれています。一般的に言われている食物繊維は、ほとんどが不溶性食物繊維です。こんにゃくにも多く含まれていますが、野菜や豆類、きのこ類にも含まれています。
一方、水溶性食物繊維は、海藻類や果物に多く含まれています。つまり、食生活に気を付けていれば、食物繊維はある程度摂れているということになります。
こんにゃくを毎日1枚以上食べている場合、明らかに不溶性食物繊維の摂り過ぎです。不溶性食物繊維の摂り過ぎは、便秘の原因になるだけでなく、腸閉塞になる可能性もあります。何でもそうですが、摂り過ぎは駄目ということですね。
便秘にならないためのこんにゃくの摂り方は?
こんにゃくの摂り過ぎに気を付ける
食物繊維は適度に摂ることで、腸内環境を良くし、便秘の解消につながります。しかし、先ほども述べたように、摂り過ぎることで便が腸内にたまり、便秘や腸閉塞の原因になることがあります。便秘がちだからとこんにゃくを多く食べることで、これらのリスクがかなり高まってしまう可能性があるのです。
さらに、こんにゃくは消化・吸収しにくい食べ物なので、胃や腸に負担がかかりやすくなります。食べ過ぎることで、胃もたれや食欲不振、下痢などにつながることがあります。
低カロリーだからと言って、炭水化物の代わりにこんにゃくばかり食べる人もいますが、明らかに食べ過ぎなので控えるようにしましょう。
目安としては、1日1枚くらいが適量でしょう。ただし、毎日食べるのではなく、2~3日おきにしておいた方がいいでしょう。
水溶性食物繊維もバランスよく摂る
不溶性食物繊維の摂り過ぎにより、便秘になりやすいと言いましたが、これではまるで不溶性食物繊維が悪い栄養素であるイメージがありますよね。決してそのようなことはありません。
不溶性食物繊維を摂ることで、排便をスムーズに促す働きがあり、さらに腸内環境を良くしてくれる働きがあるのです。人間にとっては非常に大切な栄養素の1つです。
ポイントは「食物繊維のバランス」です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を万遍なく摂ることが大切なのです。水溶性食物繊維は消化・吸収されやすいので、腸内にとどまることはありません。
これにより、不溶性食物繊維によって腸内にたまった便をよりスムーズに排出させることができるのです。こんにゃくだけでなく、海藻や果物なども積極的に摂るようにしましょう。
他の栄養素を摂ることも忘れずに!
こんにゃくは低カロリーでバランスよく摂取すれば排便を促す効果が高い、女性にとっては嬉しい食べ物です。
しかし、実はビタミンやたんぱく質、ミネラルやカルシウムなどの栄養価はほとんどありません。ダイエット効果が高いからとこんにゃくばかり食べていると、人間が生きていく上で必要不可欠な栄養素が足りなくなってしまう可能性があります。
そうなると、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなったり、月経不順になったり、肌荒れを起こすこともあります。ダイエットどころではなくなりますね。そうならないためにも日頃からバランスの良い食生活を心がけましょう。
こんにゃくを適度に食べて、便秘を予防しよう!
こんにゃくを食べると便秘になるということでしたが、半分正解で、半分間違っていることが分かります。こんにゃくで賢く便秘解消をする方法は以下の通りです。
- こんにゃくばかり食べ過ぎない(目安は1日1枚で、2~3日おきが理想)
- 水溶性食物繊維(海藻類や果物など)も積極的に食べる
- 他の栄養素もバランスよく摂る
こんにゃくを上手に味方に付け、便秘解消を促しましょう。