公開日:2017/05/09
コスメには使用期限がある!断捨離のタイミングはいつ?
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食べ物に消費期限があるように、コスメ類にも使用期限があります。お肌に直接使うものだけに、使用期限がすぎたコスメを使っていると、肌トラブルを招くことも…。美しくなるためのコスメなのに、お肌に悪影響を与えていたら残念ですよね。
コスメの容器には使用期限は書かれていないことが多いため、「いつまでも使える」とカン違いしてしまっている女性もいるのではないでしょうか?この記事では、コスメ類の使用期限にまつわるお話と、コスメをラクに断捨離できるルーティンの作り方などについてお伝えします。
目次
コスメの品質は劣化する!
コスメは、開封してから時間が経つほど、品質が低下すると言われています。食品と同じで、使い始めてからは時間がたつほど酸化や菌の混入などが起きやすく、品質が劣化してしまうのです。
劣化したコスメを使っていれば、肌トラブルが起きやすくなるのは当然のこと。コスメはできるだけ早く使い切るに越したことはありません。具体的にはどのくらいの期間を目安として使い切ればいいのでしょうか?
コスメを使い切る期間の目安
一般的に、コスメを使い切る期間の目安としては、「3~4ヶ月」が好ましいとされています。ただし、すべてのコスメに共通するルールはなく、防腐剤フリーなどの無添加コスメは、もっと早く使い切ったほうが安心な場合もあります。
反対に、見た目や香りに劣化が感じられなければ、トラブルなく使える場合もあります。そして、開封から3~4ヶ月経過した化粧品をどうしても使いたいならば、以下の項目は必ずチェックしてください。
ニオイ
開封当初と違うニオイがしたり、ツンとした異臭がしたりするなら、使用を控えたほうが安心です。
分離しているかどうか
化粧品は配合されている成分によって、時間の経過とともに分離することがあります。容器を振っても以前の状態に戻らないときには、変質している可能性があります。
色の劣化
以前使ったときと色が変わっていたら、劣化や変質のサインです。黄ばんでいたり淀んでいたりするなら、使用を控えたほうが安全と言えるでしょう。
また、未開封のコスメであっても、保存状態などによっては劣化が始まっている場合もあります。買ったけどしまったままになっていた化粧品も、使い始める前には、上記のチェックポイントを意識してみてください。
どんなコスメに使用期限があるの?
「コスメ」と一口に言っても、化粧水や乳液などのスキンケアコスメから、ファンデーションやアイシャドウなどのメイクアップコスメまで幅広くありますよね。実は、化粧水だろうと乳液だろうと、ファンデーションだろうとアイシャドウだろうと、上記の使用期限を目安に使い切ったほうが安心だと言われます。
とくにアイシャドウはなかなか減りにくいコスメのひとつ。1シーズンにいくつもの種類を買って、何年も同じアイシャドウを使っている女性もたまにいるようですが、できるだけ早めに使い切るようにしてください。「どうしても使いたい」と言うならば、上記でお伝えした3つのチェックはお忘れなく!
コスメの製造年月日の有無
コスメに使用期限があることがわかると、気になるのはコスメの製造年月日ですが、手元にあるコスメの箱や容器を見てみても、製造年月日が書かれているものは少ないのではないでしょうか。
実は、日本の法律では、製造後3年以内で変質する化粧品以外には、使用期限などを記載する必要はないとされているのです。製造年月日についても同様で、「記載する」というルールがないために、印字されていないコスメが多いのです。
ちなみに、化粧品の使用期限に関する昭和55年10月9日の厚生省通知では、記載すべき化粧品として以下のものが定められています。
『使用の期限を記載しなければならない化粧品として、次に揚げるものが指定されている。
ア アスコルビン酸、そのエステル若しくはそれらの塩類又は酵素を含有する化粧品
イ 前号に揚げるもののほか、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年以内に性状及び品質が変化するおそれのある化粧品
なお、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定な化粧品は使用期限表示の対象から除外されている。』
引用元:薬事法ドットコム
美白系化粧品の使用期限は特に注意!
上記のように、使用期限の記載が定められている「アスコルビン酸」が使われているコスメは、とくに使用期限に注意しましょう。どんな類のコスメがこれに当たるのかといえば、美白系の効果をうたっている製品。美白系コスメの多くには、ビタミンCやビタミンC誘導体、ビタミンC原末が含まれていることが多いのですが、これが「アスコルビン酸」です。
薬事法で使用期限の明記が定められているほど、他のコスメに比べて成分が不安定なものだと認識しておくと安心です。これらのコスメについては、「使用期限内だから、大丈夫」と過信せず、保存状態や保管場所によっても劣化が起きるリスクを考慮して、できるだけ早めに使い切ることをおすすめします。
このように、コスメは成分によって使用期限の明記が定められていたり、反対に定められていなかったりすると明記がなかったりするので、「いったいいつまで使えるの!?」と消費者がよくわからない制度になっている部分もあります。「自分のお肌は自分で守っていくしかないっ!」と危機感をおぼえるのは筆者だけではないでしょう。
そこで、「コスメを断捨離すべきタイミング」の観点でも手持ちの化粧品を見直しすべきルーティンについてお伝えします。
コスメを断捨離すべきタイミングはいつ?
使用期限も意識しつつ手持ちのコスメを見直すためには、次のタイミングでの使用や購入を意識してみてはいかがでしょうか。毎日使うアイテムだからこそ、うまく生活のルーティンに組み込めば、上手に断捨離していくことも可能です。
化粧水
お気に入りブランドが定まっている人は、自然に3~4ヶ月を目安に使い切ることができている場合も多いのが「化粧水」。でも、化粧水ジプシーのごとく、いろいろなメーカーの化粧水を試している女性は、開封したまま放置しがちなコスメでもあります。
開封したあとに放置された化粧水は劣化しやすくなるので、期間をあけてから使用を再開するのはあまりおすすめできません。断捨離のタイミングとしては、「1ヶ月使っていない化粧水は捨てる」というぐらい、潔いルールをつくったほうが安心です。お肌に直接触れるコスメだけに、より注意したいところです。
乳液
乳液についてもひとつのものを使い続けていれば、おおむね3ヶ月程度で使い切っている人が多いはず。しかし、いろいろなメーカーのものを日替わりで使っていると、化粧水同様に開封後の劣化が気になります。さらに、乳液に使われることの多い「ハイドロキノン」と呼ばれる成分は、非常に酸化しやすい成分とも言われています。
開封後放置していた乳液は、配合成分によっては劣化が進むリスクが高めです。できるだけ、早めに使い切ったほうが安心なコスメと言えるでしょう。こちらも目安としては、「開封後1ヶ月使わなかったら、もう捨てよう」ぐらいの潔さがあると安心ですよ。
ファンデーション
ファンデーションの多くは、春夏仕様と秋冬仕様に分かれていますので、年に2回の買い換えがルーティンになっている女性もいるのではないでしょうか?
まず、ファンデーションの劣化で一番気にすべきなのは、スポンジの汚れです。スポンジは肌に直接触れるアイテムだけに雑菌が繁殖しやすいとされていて、ファンデーションを使い続ける上で、最も注意すべきポイントなのです。どんなファンデーションを使っていても、スポンジは、最低でも1ヶ月に1回は洗浄を。できるならば、1週間に1度のルーティンで洗浄していれば、まず安心です。
ちなみに、ファンデーションは毎日使うものだけに、半年に一度の買い替えでは間に合わず、3~4ヶ月で使い切るルーティンが一般的と言えます。大瓶などのお得用サイズを買わずに、シーズンごとに2つのファンデーションを使い切るようなルーティンになっていれば、うまく断捨離できている目安にもなります。また、買ったけれど使っていないファンデーションについては、開封後4ヶ月以上経っているなら、処分したほうが安心なのではないでしょうか。
マスカラ
『ドライアイはメイクが原因!?「リスキーメイク」と症状チェック』でもご紹介しましたが、マスカラは、とくに劣化しやすいコスメなことに加え、繊細な目元に使うだけに、使用法には特に気をつけるべき化粧品。
ありがちなルーティンとして、上のまつ毛にはまつ毛エクステンションを使い、下まつ毛にはマスカラを使っている場合が挙げられますが、この場合にはマスカラがなかなか減らず、変質しやすい恐れがあります。また、同様にブラウン系やブラック系など、カラーバリエーションを多く常備している女性も、ひとつのマスカラが減りにくい傾向がありますね。
マスカラは、開封してからどんどん空気に触れて硬くなりやすいコスメ。断捨離のタイミングとしては、まだまだ残量があっても「あれ? 開封当初より固くなってる・・・」と感じたときが捨てどきです。「使い切ってから次のを買う」というルーティンよりも、マスカラの状態によって買い換えるルーティンを心がけたほうが、繊細な目元に使うアイテムだけに安心です。
コスメ類は保管場所にも気をつけて
コスメ類の劣化を遅らせるためには、保管場所も重要です。試用期間の目安に関わらず、コスメを置くべきではない場所もあるのです。次に挙げる場所は、無頓着にコスメを置きがちな場所ですが、劣化の視点から言えば置き場所を見直したほうが安心です。
バスルーム
入浴後にスグ使えるよう、コスメ類一式をバスルームに置いている人はいませんか?また、メイクアップコスメを置き洗面所でメイクする女性もいるのではないでしょうか。しかし、バスルームは湿度が上がりやすい場所。キチンと使用期限内に使えればまだ安心ですが、買ったまま放置した場所がバスルームだと、急速に劣化が進みやすいリスクがあります。
西日が当たる部屋
強い西日が当たる部屋は、時間帯によって思いのほか高温になっていることも。温度が高い環境はコスメの劣化を促してしまうことがあるので、できるだけ避けるべき環境です。
直射日光が当たる場所
インテリアを兼ねて、コスメを出窓などに置いている女性もいます。しかし、直射日光が当たる場所は、それだけコスメの劣化が進んでしまう場所。使用期限内に使い切る予定であっても、保管場所としてはおすすめできません。
「無添加化粧品」の使用期限はもっと早い!
ここまで、一般的なコスメの使用期限や劣化を促す環境などについてご紹介しましたが、実はコスメの種類によって特に気をつけるべき化粧品もあります。それは、「無添加をうたっている」コスメ!
防腐剤フリー、添加物不使用などの無添加をうたっているコスメほど、劣化しやすい特徴があります。食品でも無添加の食べ物ほど早く傷んできますよね。コスメにも同じことが言えるのです。食品もコスメも、空気に触れることで傷みやすくなります。
開封したまま使わなかった無添加系コスメについては、使用を再開せずにそのまま断捨離したほうが安心。無添加コスメの中には高価なものもあるだけについ使用を再開したくなるのですが、劣化しているとしたら、せっかく無添加でお肌に良いものを選んでいるのに逆効果となってしまいます。
でも捨てるのはもったいない!そんな時の裏ワザ
開封したまま使用しなかったコスメを、「ただ捨てるのはもったいない・・・!」と感じ、断捨離をためらってしまう人もいるのではないでしょうか。ここまでお伝えしたお話は、「コスメをお肌に使うなら」という前提でしたが、どうしても「捨てるのがもったいない」と思うコスメがあるなら、肌以外のパーツに使ってみる方法を試してみて。
たとえば、ボディや髪、頭皮などは顔のお肌よりも刺激に強いため、お肌には控えるべきコスメでも、問題なく使えることも多いのです。化粧水や乳液は髪やボディの保湿に。使いきれなかったファンデーションは、脚のコンシーラーとしてなど、再利用の方法を考えて使い切ることもできます。
コスメも食品と同様に、使用期限を意識しながらできるだけ早めに使い切ることが大事です。お肌に直接塗るものだからこそ、適正な期間で買い替えたり使い切ったりする心がけが大切と言えるのではないでしょうか。この機会に、「買ったけれど使っていなかったコスメ」を見直してみるのもいいですね。
- 山口 沙慧(やまぐち さえ)
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美容・ファッションライター。
海外在住経験から日本と海外の美容事情にも精通している。
姿勢改善、骨盤、ココロのケアを得意とするヨガインストラクターとしても活動。年間に試すコスメの数は300を超える。