公開日:2017/05/26
足のむくみはなぜ起きる?原因を知ってしっかり対策しよう
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1日を過ごしていると夕方になってからブーツがきつくなって困ったという体験をしたことがある人というのは少なくないと思います。ふくらはぎのむくみは何故起こるのか?原因をしっかり知っておくことで対策法も見えてくるはずです。
足のむくみは血液循環が関係している
血液の循環はどのように起こっているのか
人間の体内では、起きている時も寝ている時も24時間血液が駆け巡っています。体を動かすためには、各組織に水分や栄養、そして酸素を供給する必要があります。
血液は、それらの必要なものを運ぶ役割を持っています。血液を循環させるための中心的な役割は、心臓です。心臓の筋肉がポンプの役割をしていて、全身に血液を送り込むように動いています。
そして、送り込まれた血液は、水分や栄養を供給した後、各組織で排出された不要な水分や老廃物を回収する役割も持っています。これらの不要物を処理して、再び栄養を持って全身に流れていくのです。このように血液循環というのは、生きていくうえでなくてはならない物とされているのです。
血液循環とむくみの関係性とは
では、この血液循環とむくみというのは、何が関係しているのかについてご紹介します。血液の循環は、心臓がポンプの役割をしていますが、それだけでは全身を賄いきれないことから、さまざまな筋肉が補助的にポンプの役割を有しています。
下半身でいうと、ふくらはぎが例に上がります。ふくらはぎの筋肉が、下半身の血液を上半身に押し上げていくのですが、何らかの原因によってふくらはぎのポンプ機能が低下してしまうことがあります。
そして、足というのは人体でもっとも下にあり、重力の影響を受けやすいとされています。そのため、ふくらはぎに不要な水分がたまってしまい、結果としてむくみを生じさせてしまうのです。つまりむくみは、血液や余分な水分がたまることで引き起こされるようです。
足のむくみの原因は大きく分けて2種類ある
足のむくみというのは、一見すると同じように見えてしまいますが、起こりうる原因というのはさまざまなものがあります。
多くの場合は、夕方や一時的にむくんでしまい、時間が経過すると解消されるような一過性のむくみであることが多いです。一過性のむくみであるならば、もしむくんでしまったとしても寝て起きたら解消されていることが多く、深刻性もそこまでないといわれています。
しかし、一過性のむくみではなく、慢性的に足のむくみを生じている場合は、単純な原因でむくんでいるのではなく、体になんらかの不調が起こっている、つまり病気になっている可能性があるかもしれません。
一過性の足のむくみの原因とは
長時間同じ姿勢でいることでむくんでしまう
一過性のむくみで最も多いのは、長時間同じ姿勢でいるという事です。特に仕事をしている女性に多いとされています。店舗などで1日立って過ごしている場合や、オフィス内で座って1日デスクワークをしている場合に起こりやすいです。
1日同じ体勢で過ごしていると、ふくらはぎの筋肉は活動を抑制されてしまいます。ふくらはぎのポンプ機能が正常に働くためには、筋肉の収縮が必要不可欠です。
そのため、血液やリンパの流れが滞ってしまい、むくみにつながってしまうとされています。解消するためには、定期的に歩いたり、階段を上り下りするなどをして筋肉を動かしてあげる必要があります。
冷え性によってむくんでしまう
足のむくみと同様に、女性が悩まされやすい症状というのは、冷え性です。冷え性にも様々な要因があるとされていますが、一般的には血行不良によって末端の血管の流れが悪くなることが要因であるとされています。
健康的な女性であっても、立ち仕事やすわり仕事を継続することで、血液の循環が悪くなるのであれば、冷え性に悩む女性はそれ以上に足がむくみやすい条件が整っているとも言えるでしょう。そのため、より一層の注意が必要です。
足のむくみの対策ももちろんのことですが、冷え性対策も怠らないようにしましょう。入浴によりしっかり体を温めたり、体を内部から温める食材を取るなどを意識していく必要があります。
筋力低下や塩分過多でむくんでしまう
同じ姿勢でい続けるとむくみやすくなるのと同様に、そもそもの筋力が低下してしまうことでむくみが生じることがあります。特に社会人になると運動の機会が減少してしまいます。それに加えて、仕事などで同じ姿勢を続けてしまうことにより、むくみが悪化してしまうようです。適度に運動をする習慣をつけましょう。
また、食習慣によってもむくみが起きやすいとされています。特に塩分を摂りすぎてしまっている場合は注意が必要です。塩分には水分を保持する性質があります。体内の塩分濃度が上がってしまうと、余分な水分を排出することができなくなり、むくみやすくなるとされています。食生活の見直しを図っていきましょう。
慢性的な足のむくみは病気が原因の場合も
下肢静脈瘤とはどのような病気?
下肢動脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、下半身の静脈に起こる症状です。静脈の逆流防止弁の機能が働かなくなり下半身に血液がたまってしまったり、ふくらはぎの筋力が低下してしまったりすることで、血液がこぶのようにたまってしまう状態のことを言います。
そのため、慢性的に下肢に血液がたまってしまい、むくんだ状態が続いてしまうとされています。逆流防止弁の機能低下や突然の筋力の低下は、妊娠や出産のタイミングで起こりやすかったり、肥満や遺伝によって引き起こされやすくなったりするようです。最近では、下肢動脈瘤用のソックスなどがありますので、悩んでいる場合は利用してもいいかもしれません。
心臓に障害が起こることでむくんでしまうことも
血液の根本的な要素である、心臓の不調によってむくみが起こりやすくなっていることがあります。ポンプ機能が起こらなくなっていることで、むくみが慢性的に起こってしまうとされています。一般的に足のむくみが生じる病気としては、心筋梗塞、拡張型心筋症などが考えられます。
心臓の病気が原因によってむくみが生じている場合、放置しておくとむくみ以外の症状が現れる可能性があります。早い段階で医師に相談をして、早期治療を行っていくことが重要だと言えるでしょう。また、日常生活においても、心臓に負担をかけないように、水分や塩分過多、無理な運動は控えるようにしましょう。
もしかして甲状腺機能が低下しているかも
甲状腺機能が低下していることで、むくんでしまうことがあるとされています。甲状腺機能低下症と言い、何らかの原因で甲状腺の機能が十分に働かない症状のことを言います。
甲状腺ホルモンは、代謝に関わるホルモンであることから、不足してしまうと身体機能が低下してしまいます。そのため、血液の循環が低下してしまい、足のむくみを引き起こしてしまうようです。甲状腺機能低下症の原因としては、甲状腺の手術を行ったり、甲状腺ホルモンの合成障害があったりすることで発症します。
また、慢性甲状腺炎によっても引き起こされる可能性があるといわれています。治療をするためには、ホルモン治療が一般的です。体内の甲状腺ホルモンの濃度が回復するとむくみも改善されるようです。
むくみの原因を確かめて対処していこう!
- むくみには一過性のものと慢性的なものがある
- ふくらはぎの筋肉が抑制されることでむくみやすくなる
- 病気が関係している場合は、治療が必要
足のむくみの原因は、さまざまなものが考えられます。一過性の物であれば日常生活の改善で回復する場合がありますが、慢性的にむくんでしまっている場合は病院での治療が必要となる可能性があります。1度、医師に相談をしてもいいかもしれません。