公開日:2017/06/15 

玄米がダイエット向き?今更聞けないカロリーや栄養素のこと

玄米はダイエット向きの食品だといわれていますが、それは本当なのでしょうか?今更すぎて誰にも聞けない、玄米のカロリーや栄養素について詳しく探ってみましょう。

白米と何が違う?玄米のカロリーや栄養素について

まずはチェック!白米と玄米のカロリー比較

ダイエットをするうえで一番始めに気になるのが摂取カロリーですよね。玄米のカロリーがどれほどなのか、私たちがいつも食べている白米と比較して見ていきましょう。まず、白米のカロリーは、1膳あたり269kcalです。対して、玄米のカロリーは、1膳あたり264kcalです。この数字を見て分かるとおり、カロリーに大きな違いはありません。

玄米のほうが低いとはいえ、その差はわずか5kcalです。カロリーだけを見ると、白米と玄米のどちらを主食にしても大して変わりがないことが分かりますね。では、なぜ玄米のほうがダイエット向きだといわれるのでしょうか?その理由を、玄米に含まれる栄養素から探ってみましょう。

白米よりもビタミンB1・B6が豊富

玄米は白米に比べて、約8倍ものビタミンB1が含まれています。ビタミンB1には、糖質の代謝を助ける働きがあるため、食事で摂った糖質をエネルギーとして消費しやすくしてくれます。玄米は白米と同じように糖質を多く含んでいますが、豊富なビタミンB1のおかげで効率よくエネルギーとして消費できるのです。

また、玄米はビタミンB6も多く含んでいて、その量はなんと白米の約10倍です。このビタミンB6はタンパク質の代謝を助け、筋肉や血液づくりをサポートしてくれます。不足すると肌が荒れやすくなるため、ダイエット中も美肌を保ちたい人には欠かせない栄養素です。その他、ビタミンB群の仲間にあたるナイアシン、葉酸、ビオチンなども白米より多く含まれています。

白米よりも食物繊維が豊富

玄米には食物繊維が白米の約5倍多く含まれています。実は「玄米がダイエット向きの食品」と言われる理由の1つに、この食物繊維の多さがあります。

食物繊維には脂質の吸収を抑えたり、糖質の吸収をおだやかにする働きがあります。そのため、玄米を食べたときにも血糖値の急上昇が抑えられ、エネルギーが脂肪として蓄積されるのを防いでくれるのです。

また、食物繊維には便秘を予防する働きがあり、腸内環境の正常化にも役立ちます。玄米には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランス良く含まれているため、高い便秘解消効果が期待できるでしょう。ダイエット中の方は、気になるぽっこりお腹の改善にも役立ちますよ。

まだある!玄米のダイエットに関するメリット

γ(ガンマ)ーオリザノールが含まれている

γ(ガンマ)ーオリザノールとは、玄米に多く含まれているポリフェノールの1種です。実はこのγーオリザノールには血糖値を上げにくくする効果や、食欲を抑制する効果があるといわれています。玄米を食べていると高脂肪食への欲求が減り、肥満や糖尿病を予防することができるとの報告があります。

食餌性肥満マウスを用いて、玄米や γ-オリザノールが高脂肪食の摂取による視床下部における小胞体ストレスの亢進を抑制し、高脂肪食に対する嗜好性を軽減させることを明らかにしました 。γーオリザノールは古くから食べられてきた天然食品の玄米由来成分であり、従来の抗肥満薬に見られたような副作用が生じる可能性は低いと考えられます。

引用元:http://www.u-ryukyu.ac.jp/univ_info/announcement/data/press2012071701.pdf

以上の研究結果から、ダイエット向きの食品として玄米が見直されているのです。

GI値が低く、腹持ちがいい

GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品を食べてから血糖値が上昇するスピードを表しています。GI値が高い食品ほど血糖値の上昇が早く、GI値が低い食品ほど血糖値の上昇が遅いということになります。なお、血糖値の上昇が早いほど、インシュリンという脂肪分解を抑制する働きがあるホルモンが分泌され、肥満の原因になるといわれています。

それでは、改めて白米と玄米のGI値を比べてみましょう。それぞれのGI値は白米:84、玄米:56です。この数字を見る限り、玄米のほうがGI値が低いため、太りにくい食品だと考えることができますね。ちなみにGI値が低いと消化に時間がかかるので、腹持ちがいいというメリットもあります。また、上でも少し触れましたが、玄米は食物繊維が豊富に含まれているため、急激な血糖値の上昇を防ぐともいわれています。

結局、玄米はダイエット向きなの?

玄米のカロリーや栄養についてご紹介してきました。これらを総合的に見ると、玄米が白米よりダイエット向きだといえる理由には、以下のようなことが挙げられます。

  • 糖質の代謝を助けるビタミンB1が多い
  • 糖質の吸収をおだやかにする食物繊維が多い
  • 食欲を抑制するγ-オリザノールが含まれている
  • GI値が低く、腹持ちがいい

つまり同じ量を食べるのであれば、白米より玄米を主食にしたほうがダイエットにいいということになります。ただし玄米を食べれば必ず痩せられる、というわけではありません。玄米を主食にする際は、以下のようなことに気をつけて食べるようにしましょう。

玄米を主食にする際の注意点

食べ過ぎない

玄米が白米よりダイエット向きとはいえ、1膳あたりのカロリーに違いはありませんし、糖質量もほぼ同じです。たとえビタミンB1や食物繊維が白米より多く含まれていても、食べ過ぎてしまえば当然ながら太ってしまいます。健康維持が目的なら今まで食べていた白米と同じ量を摂り、痩せたいのであれば少し減らして食べるようにしましょう。

また、玄米は消化に時間がかかるため、食べ過ぎると胃腸に負担を与える恐れがあります。多くても1食につき1膳までにして、胃腸が疲れているときは無理に食べないようにしましょう。胃腸に負担をかけたくないときは、玄米をよく煮ておかゆにすると比較的食べやすくなりますよ。

よく噛んで食べる

玄米は不溶性食物繊維を豊富に含むため、白米より固いのが特徴です。そんな玄米をよく噛まずに食べると、消化不良を起こす恐れがあります。つまり、適量を食べていても十分に噛んでいないと胃腸に負担を与える恐れがあるのです。そのため、玄米を主食にする際は、いつもより噛んで食べることを意識しましょう。できれば1口につき30回以上噛むことをおすすめします。

ここまで見ると「なんだか玄米を主食にするのって大変そう…」と思われるかもしれません。しかし、よく噛むことで甘みが出ますし、満腹感も高まります。結果的にダイエット効果が高まるので、しっかり噛んで美味しくいただきましょう。

おかずもバランスよく食べる

玄米には栄養が豊富に含まれていますが、玄米だけを食べればいいというわけではありません。玄米だけの食事では、かえって栄養不足になって代謝が落ち、痩せにくい身体になってしまいます。健康的にダイエットをするためには、主食を玄米にしたうえで、おかずもしっかり食べることが重要です。

特に玄米に含まれているタンパク質は1膳あたり4.48gとごくわずかです。玄米だけ食べているとタンパク質不足になって筋肉量が落ちてしまいます。良質なタンパク質を含む肉、魚、大豆製品、卵なども一緒に食べるようにしましょう。玄米+一汁三菜(汁物1品、主菜1品、副菜2品)を意識すると、さらに健康的かつダイエット向きの食事となります!

玄米はダイエット向きだけど食べ方も重要!

玄米はダイエット向きの食品には違いありませんが、摂取方法を間違えると健康を損なう恐れもあります。

  • 玄米のカロリーは白米とほぼ同じ。
  • 玄米はダイエットに役立つビタミンB1・B2、食物繊維、γーオリザノールを多く含んでいる。
  • 玄米はGI値が低いので脂肪になりにくく、腹持ちがいい。
  • 玄米は適量やバランスを守り、よく噛んで食べることが大切。

カロリーと栄養を十分に理解したうえで適量を守り、健康的なダイエットを行ってくださいね。

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