公開日:2017/05/24 

アトピー肌向け化粧品の選び方のポイントとは?

アトピー性皮膚炎の皮膚はダメージを受けやすく、化粧品に含まれる添加物や不純物により炎症を起こしたり、アレルギー反応が出たりする場合があります。そのため化粧品選びは慎重に行う必要があります。アトピー肌に合う化粧品について詳しくご紹介していきます。

アトピー肌のためのシンプルスキンケア

アトピー肌の洗顔には石鹸がオススメ

多くの洗顔料には合成界面活性剤が含まれているため、アトピー肌に洗顔料は負担となります。そこで、オススメしたいのが無添加の固形石鹸です。ダメージを受けた肌の汚れを落とし、かつ皮膚の油分や天然保湿因子などが過度に流れ落ちることがありません。固形石鹸のなかでも、コールドプロセスで作られたものがアトピー肌に適しています。コールドプロセス製法の石鹸は、グリセリンなどの保湿成分が残っており、洗浄力も穏やかです。

洗顔方法ですが、まずは石鹸をしっかりと泡立てます。おでこから鼻にかけてのTゾーンを洗います。肌をゴシゴシこすらずに、泡を肌に乗せる感覚で洗います。45秒ほどたったら、ぬるま湯で泡を洗い落とし、肌ざわりのよいタオルで顔を軽くおさえて水気を取ります。コールドプロセスの石鹸で洗い終わった後は、ぬめりを感じるかもしれませんが、何度も洗い流す必要はありません。

アトピー肌には低刺激の化粧水を

アトピー性皮膚炎の方は、化粧水に含まれる成分により症状が悪化するおそれがあるため、低刺激の化粧水を選びましょう。防腐剤、香料、着色料、界面活性剤などの添加物を含まず、配合されている成分が少ないシンプルな製品がオススメです。

アトピー肌に適した化粧水は、保水効果があるものです。肌の角質層に存在するNMF(天然保湿因子)に似た働きをする成分が含まれているものが理想です。コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンといった保湿成分は、水分を抱え込む性質があり、肌に塗ると天然保湿因子のように作用します。

コラーゲンは肌の深層部で皮膚を支え、柔軟で弾力のある肌を作ります。肌につけると表面にとどまり、水分を抱える働きをします。ヒアルロン酸は保湿性、保水性に優れています。エラスチンは肌の深層部でコラーゲンを結合する働きをしますが、肌に塗ると奥深くまで浸透せずに、肌の表面で保湿をします。

アトピー肌に向かない化粧品もある

アトピー肌に適さないものは、乳液、日焼け止め、クリーム、化粧下地、クレンジングです。これらの製品には、水と油を乳化させるために乳化剤(合成界面活性剤)が含まれている可能性が高いためです。他にも防腐剤や合成ポリマーなど、アトピー肌に刺激を与えるおそれのある添加物が配合されているため、使用はオススメできません。

肌の状態を改善するため、さまざまなスキンケアを試してみたくなるかもしれませんが、多くの商品を取り入れるのではなく、必要のないものを排除すると、肌が本来持っている力を発揮できることもあります。しかし、肌を守るために保湿などのスキンケアをする必要があります。無添加のワセリンや、純粋なオイルを肌に塗って水分の蒸発を防ぎ、外部からアレルギー物質などが皮膚に侵入するのを防ぎましょう。

アトピー肌のための日焼け止め対策

日焼け止めにはパウダーファンデーションを

アトピー肌は紫外線のダメージを受けやすいので紫外線対策をするべきですが、日焼け止めには肌を刺激する界面活性剤や、添加物が含まれています。アトピー肌が悪化するおそれがあるため、日焼け止めの使用は避けた方が無難です。アトピー肌には、日焼け止めの代わりに無添加のパウダーファンデーションを使うことをオススメします。

パウダーファンデーションを選ぶ際のポイントは2つ。1つ目は、紫外線錯乱剤を使用している製品を選ぶこと。紫外線錯乱剤は、紫外線を反射して肌を守ります。紫外線吸収剤というものがありますが、これは文字通り紫外線を吸収します。肌への刺激が強く、アレルギー反応を起こすおそれがあるため選ばないようにしましょう。

2つ目は、ナノ粒子不使用のものを選ぶこと。ナノ粒子は大変細かく、肌に吸収されやすくなっています。ナノレベルの紫外線錯乱剤が皮膚に浸透すると肌が酸化するので、ナノ化された紫外線錯乱剤はおすすめできません。

アトピー肌向けのパウダーファンデーション

パウダーファンデーションには、リキッドやスティックタイプもありますが、界面活性剤や防腐剤などの添加物がたくさん含まれているため、アトピー肌を刺激してしまいます。天然ミネラル成分が含まれているミネラルファンデーションは、防腐剤、香料、合成着色料などを使用していないものもあり、アトピー肌への刺激が少なくなっています。

ミネラル成分がどの程度の割合で入っているか、成分を確認して選ぶようにしましょう。添加物を使用しているミネラルファンデーションもありますし、ミネラルが主成分でなく、ごく少量しか含まれていない製品もあります。また、ファンデーションをつけるブラシが原因で、肌がかぶれることもあるのでブラシは上質なものを選び、清潔に保ちましょう。

アトピー肌にはオイルでクレンジング

ファンデーションを使うと、クレンジングも気になりますね。市販のクレンジングはアトピー肌を刺激してしまうので、界面活性剤を使用していない、無添加の純度が高いオイルをクレンジングの代わりに使用しましょう。

純粋でないオイルは酸化しやすく、酸化した油は、過酸化脂質を生成します。過酸化脂質は、皮膚のバリア機能や保水力を低下させてしまうため、アトピーの症状悪化を招くおそれがあります。

オイルを使ったクレンジング方法ですが、オイルはたっぷり使用してスムーズに肌をマッサージするようにしましょう。寒い時期はオイルが冷たく、肌に溶け込まないので、手に取って体温であたためてから顔につけると効果がアップします。

メイクをテイッシュオフするなら、肌をこすらず、テイッシュにメイクや汚れを移すようにします。できればメイクはナチュラルメイクを心掛けると、クレンジングによる肌への負担を最小限に抑えられますよ。

アトピー肌に優しい製品を選ぼう

アトピー肌に美容液は必要?

美容液はプラスアルファのスキンケアなので、アトピーの症状が出ている時は必ずしも必要ではありません。成分が高濃度で配合されているため刺激が強く、アトピーを悪化させるおそれがあります。美容液には主に美白と保湿の効能があります。

美白を求めるなら、プラセンタ配合のものがオススメです。ビタミンC誘導体も美白効果がありますが、刺激が強いためアトピー肌には向いていません。保湿ケアのための美容液は、油分が水分と混ざり合うように乳化剤を使用している可能性があります。成分表を見て確認しましょう。

アトピー肌に美容液を使う時は、まずはパッチテストをします。かぶれなどの皮膚炎の症状が表れるのは、テストをしてから48時間後が目安です。また、パッチテストで異常がなくても、まずは少量ずつ使用します。体調が悪いときなどに、皮膚に異常が出る可能性があるからです。さらにアトピーの症状が悪化している時は、美容液を使うタイミングではないので、使用を控えます。

アトピー肌には石鹸でシャンプーを!

アトピーの症状が出ている時は、頭皮の状態もデリケートです。シャンプーに配合されている添加物や、合成界面活性剤で症状が悪化してしまわないよう、固形石鹸で髪を洗うことをオススメします。乾燥した頭皮には、コールドプロセス製法により作られた無添加の固形石鹸が適しています。なぜなら保湿効果があり、頭皮のうるおいが流れてしまうのを最小限に抑えてくれるからです。

シャンプーの方法ですが、まずシャンプーの前にブラッシングをします。髪が乾燥していたら、オイルを塗って保護しましょう。頭皮をマッサージしながら、お湯で汚れを流します。次に石鹸をよく泡立て、頭皮に泡を馴染ませたらすすぎます。もう一度石鹸を泡立て、頭皮をやさしくマッサージするように洗います。すすぎで石鹸をしっかり洗い流します。

シャンプー後は、髪がまとまらず、きしむのでクエン酸をお湯で溶き、髪につけてリンス代わりにしてもよいです。シャンプーの後に髪がパサつきますが、皮膚の新陳代謝により、次第に緩和されます。

リップクリームの代わりにワセリンを使おう

リップクリームに配合されている添加物が、アトピー肌の症状を悪化させるおそれがあるので、リップクリームは使用しないほうがよいでしょう。無添加のワセリンは唇の表面を保護してくれるので、リップの代わりになります。

純度の高い「サンホワイト」といったワセリンは、肌に刺激を与える添加物が含まれていないため、アトピー肌にオススメです。ワセリンに期待できるのは、水分が皮膚から蒸発するのを防ぐ効果です。

乾燥しやすくデリケートな唇には、ラップを使ったパックが効果的です。唇にワセリンを塗り、ラップを乗せて5分から10分待ちます。この間に刺激や違和感を覚えたらすぐに中止します。ラップを取って、軽く拭き取れば完了です。

アトピー肌に適した化粧品選びのポイント

アトピー肌のための化粧品選びのポイントをおさらいします。

  • 製品を選ぶ際に成分表示を確認し、肌に刺激となる製品は避ける。
  • 使用する化粧品は最小限にとどめ、化粧かぶれなどを予防する。
  • 使用前にはパッチテストを行い、48時間後の肌の反応を見る。

これらのポイントをチェックして、化粧品選びにお役立て下さい。

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