公開日:2017/06/15 

空腹を感じるメカニズムとは?空腹を感じやすくする食べ物もある!

生活の中で、エネルギーを消費すれば空腹を感じるのは当たり前のことです。しかし、さっき食べたばかりなのに「お腹がすいた」と感じることもあります。空腹を感じるメカニズムや空腹を引き起こす食べ物についてご紹介します。

空腹を感じる仕組みとは?

空腹を脳が感じるのは血糖値が下がるため

「お腹がすいた」と感じる時、一般的には胃の中が空っぽになっているためだと考えます。しかし、実は空腹を感じているのは脳なのです。食事を摂取すると、食物からブドウ糖が血液に取り込まれ、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上がります。

摂取した食物が活動により分解され、消費されてしまうと血液にとり込めるブドウ糖がなくなります。そうなると血糖値が下がり、脳が「エネルギーを補給しなければならない」と感じるのが空腹を感じるメカニズムです。

血糖値は食事を始めて20~30分後ぐらいから徐々に上がりはじめ食後1時間半でピークを迎えます。血糖値が上がり、一定以上になるとエネルギーの補給が十分されたと脳が判断します。これが満腹感です。そしてまた食後3~4時間後には血糖値が下がり、空腹を感じます。

脳の勘違いによって起こる空腹感もある

たくさん食べた後にも関わらず、空腹を感じることはありませんか?本来、空腹を感じるのはエネルギー不足により血糖値が低下した時。食事をすれば血糖値が上がり、空腹は感じないはずです。

しかし、短時間に大量の食物を摂取した場合には少し違うことが起こります。血糖値が急上昇することを脳が危険と判断し、血糖値を下げるためインスリンを分泌するのです。

インスリンとは血糖値の上がりすぎを防ぎ、血液中に増えすぎたブドウ糖を脂肪や筋肉に分配するホルモンのこと。満腹だったのにすぐに空腹を感じるのは、食べている時間や量によって血糖値の変化やインスリンの分泌が起こり、脳が勘違いするからです。

血糖値の低下以外に空腹を感じる原因

睡眠不足の状態が続いていると、満腹中枢を刺激するレプチンというホルモンが分泌されにくくなるとともに、食欲を刺激するグレリンというホルモンの分泌が増えます。

グレリンはストレス過多になっている時も多く分泌され、食べても空腹が満たされにくい状態になります。また、栄養がかたよった食事をしていても、空腹を感じやすいです。

特にビタミンやミネラルが不足していると糖質やタンパク質を分解・吸収することが難しくなるため、脳が空腹であるというサインを出し続けることになります。そのほか身体が水分不足の時にも空腹と錯覚するそうです。

空腹を感じやすくする食べ物がある!

ごはんなどの白い炭水化物や白砂糖に注意!

栄養素のひとつ炭水化物は、エネルギー源として、身体にある程度は必要です。しかし、炭水化物の中でも白米や食パン、うどん、パスタなどの白い炭水化物は、空腹を感じやすくする食べ物になります。

精製する時にビタミンやミネラル、食物繊維を取り除くため、栄養がほぼ糖質のみになっているからです。摂取すると急激に血糖値を上昇させるため、インスリンが分泌されて血糖値を急激に下げます。その結果、食べているのに空腹を感じてしまうのです。

そのほか、白砂糖も空腹を感じやすくします。白砂糖がたくさん入ったお菓子などは、食欲抑制ホルモンのレプチン分泌を抑え、食欲増進ホルモンのグレリンを分泌するからです。しかも白砂糖は、中毒性があるので依存性が高く、やめにくいといわれています。

甘いジュースやアルコールも食欲増進させる

果汁100%のフレッシュジュースにはビタミンは含まれていますが、加工の過程で血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維が失われます。しかも糖分がたくさん入っているため、血糖値の急激な上昇が起こり、インスリンが分泌されてさらに空腹を感じやすくなります。

果物を摂取するならジュースよりも果肉を丸ごと食べる方がおすすめです。しっかり噛んで食べることで、少量でも空腹が満たされるようになります。また、水分補給に摂取することも多いミネラルウォーターにも、糖分がたくさん含まれているので、要注意です。

そのほか、アルコールも分解する時に肝臓で糖が消費されて血糖値が下がるので、食欲を増進させます。しかもアルコールは、水分を体外へ出す作用があるため、水分不足によっても空腹を感じやすいです。

ファーストフードやスナック菓子も危険!

ハンバーガーなどのファーストフードには大量の糖質が含まれており、血糖値の急上昇を招きます。そのうえ、ファーストフードなどに使われているトランス脂肪酸により、次第に食欲がコントロールできなくなるそうです。

トランス脂肪酸は血液から身体の細胞へのブドウ糖の受け渡しを阻害する作用があります。そのため、ブドウ糖が血液中にとどまり、高血糖状態に。その状態が続くと、身体が高血糖に慣れてしまい、少し血糖値が下がるだけで空腹になったと勘違いするのです。

また、スナック菓子は糖分だけではなく、塩分も大量に含んでいます。糖分は血糖値を上昇させ、インスリン分泌による血糖値の急降下で空腹を感じます。塩分は体外に水分を排出して水分不足を招くので、空腹感を錯覚してしまうのです。

空腹を勘違いしないようにするには?

水分を補給で空腹を錯覚しないようにしよう

最近は、身体の渇きに鈍感になり、水分をあまりとらない方も多いといわれています。しかし食べたばかりなのに空腹を感じる方は、食後に水分をとるようにしてみましょう。

この時の水分補給におすすめなのが緑茶と炭酸水です。緑茶は食欲抑制効果があり、脂肪燃焼効果を高めるともいわれています。そのほかにもデトックス効果や免疫力向上など多くの効果も期待できるのでおすすめです。

炭酸水はもちろんノンシュガーのものを選びましょう。炭酸は胃を膨らますので、空腹感を感じにくくするだけでなく、胃腸の調子を整えたり、消費エネルギーを増やす効果も期待できます。

睡眠をとり、ストレスを溜めない生活へ

食欲をつかさどるホルモンのレプチンとグレリンは睡眠不足になるとバランスが崩れます。睡眠不足は美容にマイナス効果なだけではなく身体や心の健康に悪影響を与え、食欲も狂わせてしまいます。

食べているのに空腹感がなくならない、というときは睡眠も見直しましょう。レプチンとグレリンを正常に分泌し、食欲を適正にコントロールするにはしっかりと睡眠をとってください。

また、ストレスを多く抱えている時もグレリンの異常分泌が起こり、空腹を感じにくくなります。生活の中でストレスを全く感じないで生きていくことはできませんが、ストレスが溜まっていると感じたら、リラックスできる時間をとるようにし、しっかり身体と脳を休ませましょう。

食事の栄養バランスに気をつけよう!

「食事をしっかりとっているのにお腹がすいてしまう」という人は、栄養のかたよりも考えられます。人間の体はどの栄養素が不足してもうまく機能しません。栄養がかたよっていると脳が栄養不足を感じ、エネルギー補給を要求するのです。

野菜不足はよくいわれることですが、肉や魚などタンパク質が足りていない場合もあります。野菜に含まれるビタミン類やミネラルはホルモンや自律神経を整えるため、食欲をコントロールするホルモンを正常に分泌するのに不可欠です。

肉や魚などのタンパク質は、血液や筋肉をつくり、美肌や美しい髪に欠かせません。野菜と一緒に肉や魚、卵、大豆製品も積極的に摂取し、バランスの良い食生活を心がけましょう。

空腹を感じるのは血糖値の低下と脳の勘違い

  • 血糖値の低下
  • 水分不足や睡眠不足による脳の勘違い
  • 栄養の偏りによる栄養不足

日々水分補給を行い、しっかりと睡眠をとることが大切です。また空腹を感じやすくする白い炭水化物、スナック菓子、ファーストフード、ジュース、アルコールは避け、バランスのとれた食生活も心がけましょう。

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