公開日:2017/10/23
虫歯の放置は危険!きちんと予防して口内健康を目指そう
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小さい病気だと思われがちな虫歯ですが、実は放置していると命の危険に及ぶこともあります。
虫歯は家族や恋人にもうつる可能性があるため、早めの対策が必要です。大人の虫歯の怖さや、予防法、虫歯ができたときの注意点などをわかりやすく解説します。
危険な虫歯放置がされてしまう原因
忙しくて歯の定期検診に行けていない人は多いと思います。「歯が痛くないから大丈夫…」というのは大きな間違いかもしれません。実は、大人の虫歯は痛みがないことがあり、ゆっくりとじわじわと歯を弱めていくのです。
広く浅い虫歯で気付きにくい
「大人になってから虫歯になりにくくなった」と感じる人もいるでしょう。しかしそれは、虫歯に気づいていないだけかもしれないのです。
大人の虫歯と子どもの虫歯のできかたには大きな違いがあります。子供の虫歯は『狭く深い』場合が多く、大人は『広く浅い』場合があります。
子供の虫歯は『狭く深い』ため、神経まで届き、痛みを感じやすい傾向があります。一方で、大人の虫歯は『広く浅い』ため、神経まで届かずに痛みを感じにくいのです。
そして大人の虫歯は、1本だけでなく広範囲に渡って徐々に歯を弱めていくのが特徴です。歯が茶色や黄色っぽくなっている人は虫歯の疑いがあります。この虫歯の状態を『慢性う蝕(まんせいうしょく)』と言います。
痛みの自覚が出ないと歯医者に行かない
虫歯に気づけない理由はもう1つあります。それは歯医者に行かないので、『早期発見ができない』ということです。2015年に『1年間で歯医者に何回行きますか?』というアンケートをとったところ、100人中56人もの人が『0?1回』と答えたのです。
早期発見ができれば1~2回の治療で済むはずだった虫歯が、歯医者に行かなかったことにより、半年以上も完治に時間がかかるようになるということもありえます。
『大人の虫歯は気づきにくい』ということを念頭に入れて、まずは検診として、歯医者を受診することがおすすめです。
大人の虫歯の放置が引き起こす危険
虫歯の症状を放置しておくと、様々な病気が発祥する可能性があります。痛みを感じたり炎症を起こしたりするだけではありません。脳や心臓の命にかかわる病気になってしまうこともあるのです。
神経が死んで顎の骨に影響が
虫歯は歯だけでなく、周辺の骨にまで影響がでてくるケースもあります。虫歯を放置し続けていると、やがて痛みを感じなくなることがあります。
治ったと勘違いしやすいのですが、それは歯の神経が死んでしまっているのです。こうなると神経から腐り、歯が細菌に侵されてしまいます。
人間は、細菌が発生すると身体を守る仕組みを持っています。歯に細菌が発生すると、他の身体の部位を守るために、袋のようなもので細菌を閉じ込めようとします。
その結果、歯肉が腫れてしまい痛むようになってくるのです。さらに顎に膿が溜まり、治療するために歯肉を切開しなければならないほどひどい状態になることもあります。
虫歯菌は全身に回る可能性も
虫歯菌を放置していると炎症を起こすだけでなく、血液に侵入してしまうことがあります。血液に入った虫歯菌は身体全体に回ります。そうなると脳にも虫歯菌が回ることになり、『脳梗塞』を発症する可能性も考えられます。
脳だけでなく、心臓にまで虫歯菌が届くこともあります。そのため、『心筋梗塞』を発症した実例も報告されています。
脳や心臓にまで虫歯菌が侵入する例はそれほど多くはありませんが、虫歯を放置するということは、命に関わる重大な病気を招く恐れもあるのです。
大事な人にうつしてしまう
虫歯を放置していると、自分だけでなく周りにも危険が及ぶことがあります。なぜなら虫歯菌は唾液によって簡単に人にうつるからです。
同じ食器を使ったり、子どもに同じ箸で食べさせたり、恋人とキスしたりと、日常で虫歯がうつる可能性があるシーンはたくさんあります。
自分が虫歯を放っておいたせいで、愛する家族や恋人が虫歯になることがあるかもしれません。虫歯を治療しないということは、そういった親しい間柄の人々に迷惑をかけることにもなるのです。
虫歯の放置で痛みが出た際にやると危険な事
虫歯がある場合にやってはいけない行動がいくつかあります。それらを行うと虫歯が痛むだけでなく、悪化させてしまう原因にもなります。
今、虫歯がある人は以下の注意点をふまえて生活するようにしましょう。
お酒を飲む、たばこを吸う
お酒を飲んだり、煙草を吸ったりすると、気持ちが落ち着く人もいるでしょう。しかし、これは虫歯にとっては逆効果なのです。
アルコールや煙草は菌を刺激してしまい、余計に症状を悪化させることになります。それだけでなく、アルコールで体温が上がると、虫歯は痛みがひどくなります。虫歯のときはお酒や煙草は控えた方が良いでしょう。
痛む歯を触る
歯が痛いとどうしても気になってしまいますよね。しかし、指や舌で虫歯を触るのはよくありません。指や舌についた雑菌が歯に入り、炎症を起こしてしまうこともあります。
また、刺激することによってより痛みが増してしまうこともあります。歯を磨くときも付近の汚れを取り除くくらいにして、あまり刺激しないようにすることが大切です。
運動や入浴もNG
体温が上がることによって、虫歯は痛みを増します。血液循環が活性化して、その血液が神経を圧迫してしまうのです。
そのため、運動を行ったり、湯船に浸かったりするのは避けた方が無難です。お風呂は、ぬるめのシャワーを浴びるだけにとどめておくことを、おすすめします。
危険な虫歯は放置せず予防を
虫歯は放置するだけでなく、予防を行うことが非常に重要です。しっかりと歯磨きを行うことはもちろんのことですが、フロスを使用したり、定期検診に通ったりすることは大きなメリットがあります。
毎日フロスを使おう
20歳を過ぎた人は、糸ようじなどの『歯と歯の間をキレイにするためのフロス』を使用することをおすすめします。歯ブラシだけでは歯と歯の間を磨くのは難しく、放っておくと『歯周病』になることもあります。
また、歯ブラシの硬さについても選ぶコツがあります。朝やお昼の忙しい時間帯には硬さが『ふつう』の歯ブラシを使用し、時間をかけられる夜などには『やわらかい』ものを使うのがいいでしょう。
『やわらかい』ものを使用することによって歯に傷がつかずに、じっくりと時間をかけて磨くことができるのです。
歯科の定期検診は心強い
虫歯は放置していると大病になる可能性もあるため、定期的な検診をすると安心です。虫歯の早期発見はもちろんのこと、歯石の除去などを定期的に行うことにより、虫歯になりにくい体質になっていきます。
定期検診に通うこと自体が、虫歯にならないための予防にもなるのです。忙しくてもなるべく定期的に歯医者に通い、歯の状態をチェックしておきましょう。
虫歯放置は危険なので予防を心がけよう
虫歯を放置していると、様々な弊害がおきます。深刻な場合では『脳梗塞』や『心筋梗塞』など、命の危険にさらされる場合もあるのです。
「歯の検診にしばらくいっていない」という人は、気がついていないだけで虫歯になっている可能性もあります。まずは1度、歯医者を受診してみましょう。
たかが虫歯と思っていると、一生を左右する大きな病気に発展してしまうこともありえます。愛する家族や恋人、そして自分自身のためにも、歯を健康に保つ努力を怠らないようにしましょう。