公開日:2017/06/15 

どうして手汗が止まらない?原因と対策について知っておこう

手汗は気にすれば気にするほど症状が悪化してしまう可能性があります。手汗というのは何故引き起こされるのでしょうか?原因や対策方法について、詳しく解説していきます。

手汗は自律神経が関係している可能性が

手汗が止まらないと恥ずかしい

手汗というのは、文字通りてのひらから出てくる汗のことを言います。どのような人でも多少の手汗をかきますが、症状が重くなってしまうと異常なほどに汗が出てしまうことがあるようです。

手汗に悩む女性は少なくないといわれています。人と手をつなぐことによって、相手に不快感を与えてしまうかもしれないと思ってしまうことで、手をつなぐこと自体を恐れてしまう可能性があります。また、持ったものがふやけてしまったり、ベタベタになってしまったりすることもあるようです。

自律神経の乱れによって手汗が出てしまう

発汗能力は、自律神経によってコントロールされています。そのため、個人個人でその汗を止めたり、たくさんかいたりすることを意図的に行うことはできません。

自律神経は交感神経と副交感神経に分けられますが、発汗作用に関係しているのは交感神経です。交感神経は運動をしていたり、緊張状態になったりしているときに活発に作用します。

発汗作用以外にも、心臓の鼓動を促進する、血管を収縮させるといった作用があります。発汗には、体温が上がることで起こる作用と精神的な影響を受けて起こる作用があります。

手汗の原因としては、そのどちらも影響しているものの、精神的な影響がより強く関係しているといわれています。ストレスなどの影響によって自律神経が乱れてしまい、交感神経が刺激され続けることで手汗が止まらなくなるようです。

自律神経は気圧の影響も受けやすい

また、自律神経というのは、外気の影響も受けやすいようです。高気圧になると交感神経が活発になり、低気圧になると副交感神経が活発になります。

夏に比べると冬場のほうが高気圧になる傾向があります。また、冬場には暖房を使用することによって、外気温と室温の寒暖差が激しくなります。そのため、自律神経が乱れやすくなります。

このような要因によって、暑い夏場でもないのに、寒い冬場に手汗が止まらなくなることもあります。これに加えて、精神的な要因が影響することによって、手汗が止まらなくて困るといった症状が引き起こされるようです。

手汗を止めるにはどうすればよい?

そもそも手汗を気にしてはいけない

手汗を止める方法としては、とにかく意識しないことが重要だといわれています。手汗は気にし始めてしまうとどんどんと気になって仕方がなくなってしまいます。

特に普段から手汗に悩んでいる人は、余計に気にしてしまう傾向があるようです。手汗を抑えようと焦ってしまうことで、交感神経がより活発になってしまい、結果として汗が余計に出てしまう可能性があるのです。

このような精神的な要因によって手汗が出てしまう場合は、気持ちを落ち着けることで自然と症状が改善されていくことが多いです。気にしている人にとって、気にするなというのは難しいかもしれませんが、考えないようにすることが重要だといわれています。

ストレスの原因を見極め受け入れていく

自律神経が乱れてしまい手汗が出てしまう症状の1番の原因は、ストレスだといわれています。

手汗をかいてしまうことによるストレスはもちろんのこと、日常生活でのストレスや職場におけるストレスなど、様々な要因が関係しています。日々の生活においてすべてのストレスを解消して、ストレスフリーな生活を手に入れることは不可能に近いでしょう。

そのため、自身のストレスがどのようなものであるのかについて向き合い、楽観的にとらえるように心掛けたり、受け流す方法を身につけたりすることが大切です。ストレスとうまく付き合っていくことも重要だといわれています。

生活リズムの改善をしていく

仕事や日常生活の送り方によって、交感神経や副交感神経などの自律神経は大きく影響を受けてしまいます。そのため、日々の生活リズムを改善して、規則正しい生活を送っていくことで、自律神経を整えなおすことができるといわれています。

たとえば睡眠においても、早寝早起きを心がけるようにしましょう。また、就寝前にゆっくりお風呂に入り、リラックスした状態で就寝準備をしてください。スマホやパソコンのライトは脳を覚醒させてしまいますので、眠る前には極力見ないようにしましょう。

また、激しい運動は必要ありませんが、適度な運動を心がけることで自律神経を整える効果が期待できます。ジョギングやウォーキングを始めてみてもいいかもしれませんね。

それでも手汗が改善されない場合の治療法

手汗に効果があるツボ押しを試してみる

ここまでご紹介してきた方法で手汗が改善されない場合は、そのほかの方法を検討していきましょう。手汗にはツボ押しが効果がある場合があります。

たとえば、労宮(ろうきゅう)と呼ばれる掌の中心部にあるツボを、指で5秒間押して5秒間離すというリズムで5セット行いましょう。リラックス効果があり、交感神経を抑制する効果が期待できます。

また、合谷(ごうこく)という手の甲側の親指と人差し指の骨が合わさるところのくぼみの部分を5秒押して1秒離すというリズムで5セット押しましょう。ストレスや神経過敏などの精神的に不安定な状態を緩和させる効果が期待できるようです。

ツボ押しをするときは、効果が強く出ることがありますので、違和感を感じたらすぐにやめるようにしましょう。

手術によって手汗を抑える

手汗を止めるための最終的な方法としては、内視鏡手術が考えられます。「胸腔鏡下交感神経節遮断術」という術式によって、てのひらにつながっている汗腺の神経を切断することで、100%に近い確率で手汗を止めることができます。

手術法としては、ワキの下から電気メス付きの内視鏡を挿入して、内視鏡のカメラ越しに交感神経を切断します。比較的安全な手術であるといわれており、実際の手術時間も片側のワキでおよそ20分、両方合わせても1時間ほどで手術を終えることができるようです。

ここまでご紹介してきた方法でどうしても手汗を解消することができない場合は、医師に相談をして手術をしてもらってもいいかもしれませんね。

手術を行うことによるリスクとは

ただし、手術においてはある程度のリスクがあることを覚えておきましょう。手術自体は危険な手術ではないものの、「代償性発汗」という副作用が手術後に起こってしまう可能性があります。

これは、本来てのひらから出ていた汗を他の部位が補おうとする反応です。それによって、今まであまり汗が出ていなかった場所からたくさん汗が出る可能性があります。

これは、汗が出なくなることで、体温が極端に上昇してしまうことを避けるための靭帯の防衛機能です。代償性発汗は必ず起こるというわけでもありませんが、起こった時にどこから汗が出やすくなるのかという事を予測することができません。思わぬところから汗が吹き出し、どちらにせよ悩んでしまうこともあるようです。

手汗はできるだけ気にしないようにしよう

  • 手汗は自律神経の乱れが影響している
  • 気圧の変化によっても自律神経は影響を受ける
  • 手汗は気にしすぎると改善されない
  • どうしても手汗が改善されない場合は手術の検討も

手汗は精神的な影響を受けることが多いです。そのため、気にせず楽観視することが手汗の改善には必要だといわれています。どうしても改善できない場合は、医師に相談をしましょう。

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