公開日:2017/06/26
声優の私が自己流で実践しているエクササイズ
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声優の森優子です。ナレーションやリポート、キャラクターボイスにアニメや吹き替えなど様々な声にまつわるお仕事をしています。今回は、私が声優の仕事をしている上で必要だと感じ、独学で実践している様々なエクササイズとトレーニング方法をご紹介します。
腹式呼吸でエクササイズ
呼吸
普段、私たちは当然のように息を吸って吐いて呼吸をしています。呼吸は私たちにとって生きる上で欠かせないものです。でも、日常生活のなかで呼吸を意識する機会ってあまり無いのではないでしょうか。そんな呼吸の方法には、いくつかの種類があることをご存知でしょうか。
よく耳にする一般的な呼吸法が胸式呼吸と腹式呼吸です。普段、私たちが無意識に行っている呼吸は胸式呼吸の方が多いといわれています。女性にも多いそうです。胸式呼吸は胸を使った呼吸で、腹式呼吸に比べると浅く、胸囲が膨らみ肩が上下するのが特徴です。
胸筋や肩を使うので身体に力が入ってしまいがちになります。一方、腹式呼吸は肺の下、胃の上にある横隔膜を上下させることで肺を下に押し広げるのが特徴です。上半身の筋肉をリラックスさせた状態で行うことができます。
腹式呼吸のメリット
さて、上記で腹式呼吸について少し触れましたが、私はダイエットのためにも腹式呼吸を習得することおすすめします。腹式呼吸をすることで、横隔膜が動くのにつられて内臓が動き血行が良くなります。そうすると新陳代謝がアップして内臓脂肪を燃やすことができるんです。
血行が良くなれば冷え性にも効果が期待でき、女性にとって一石二鳥な呼吸法だと思います。さらに腹式呼吸は、演劇や歌唱などの声を使ったパフォーマンスにおいて、より幅広く表現するためにも用いられることが多い呼吸法です。
喉に力を入れることなく、無理がない体勢で息をコントロールできるので大きな声がでるようになり声も通りやすくなります。腹式呼吸ができているかどうか確かめる簡単な方法は、仰向けに横になって呼吸をしてみてください。息を吸ってお腹が膨らみ、息を吐いてお腹が凹んだら腹式呼吸になっています。
息を使ったトレーニング
では、さっそく私が実践している腹式呼吸のトレーニングを紹介していきたいと思います。まず内臓脂肪を燃やしてインナーマッスルを鍛えるためのトレーニングです。背筋を伸ばして足を肩幅にひらいて立ちます。お腹に手を当ててゆっくりと口から息を吐きます。吐く息の量を一定にするために「スー」と音をつけると分かりやすくて良いです。
息を吐き切ったら、自然と空気が肺を満たしていくような感覚でゆっくりと鼻から吸います。このときお腹が膨らんでいっていることを確認し、肩や胸に力が入らないようリラックスして行います。しばらく繰り返すと身体がじんわり温まるような感覚になると思います。
腹式呼吸のこつを掴めたら、リズムに合わせて息をコントロールします。メトロノームを用意します。現物が無ければスマホのフリーアプリなどでメトロノームの音をダウンロードできます。エイトビートにのって8拍かけて鼻から息を吸い、次の8拍で「スッスッスッスッスー」と口から息を吐いていきます。
前半の4拍は鋭く拍ごとに息を吐いて、後半の4拍はすーっと息をのばして吐きます。このとき、吐く息の量を一定量にするのがこつです。これを繰り返したら、息を吸う時間を短くしていきます。最終的に1拍で息を吸って8拍かけて吐けるようになるのが理想です。やってみると意外ときついのですが、習慣化すると肺活量も増えて楽にこなせるようになっていきます。
発声でエクササイズ
発声の基本
呼吸の次は発声に挑戦してみましょう。普段、私たちは何も意識せずに声を発して生活しています。私たちは声帯という発声をするための器官を使って声を出しています。声帯は喉のあたりにある2本の筋のことです。
喉が痛くなったときに耳鼻咽喉科へ行って、自分の声帯の写真を見たことがある方もいるのではないでしょうか。その声帯に肺から息が通ることで声帯が振動して、そこから出た音を口腔、咽頭共鳴腔、鼻腔といった顔の近辺にある空洞で響かせることで声になるというしくみです。
風邪を引いたりお酒を飲みすぎたりして声がガラガラになったり出なくなってしまったことはありませんか。それは声帯がむくんでいたり、傷ついて腫れてしまい、うまく振動させることができなくなったときに起こります。
発声のトレーニング
いよいよ、意識して声を出すトレーニング方法を紹介します。私が声出しのはじめにするのがリップロールです。リップロールは、口を閉じた状態で息を吐きながら唇を震わせます。「ブルブルブル」という音になります。
リップロールをした状態で、一番低い地声の音から出し始めます。このとき、リラックスして喉を閉めずに開くイメージをしてください。1音ごとに30秒以上リップロールをしながら声を出し続けるのを目標にやってみてください。
それから音を半音ずつ上げていきます。発声は声帯を震わせて身体で響かせてするといいましたが、出し方にはいくつかの種類があります。裏声と地声はよく知っていると思いますが、ミックスボイスという言葉を聞いたことがありますか。これは簡単に説明すると地声と裏声の中間の声と思ってください。
歌手のほとんどの方々が使いこなしている声の出し方です。このミックスボイスを使って地声と裏声を繋げるために私が実践しているのが裏声で「ねいねいねいねい」と言いながら、1オクターブを行ったり来たりさせることです。こつは口を閉じたところからスタートし、サイレンのように声を細く鋭く出して鼻腔に響かせるイメージです。やってみると意外ときつく、腹筋にも負荷がかかります。
滑舌トレーニング
次に滑舌のトレーニングです。正しい発声ができて綺麗な声が出せても、滑舌が悪ければ台無しになってしまいます。滑舌は日々意識して過ごすだけでも変わってきます。
私が一番多く行っている滑舌のトレーニングは「外郎売」という歌舞伎十八番です。「外郎売」は享保3年(1718年)に二代目市川団十郎が創作しました。外郎という薬を売るための口上ですが、そのなかにありとあらゆる早口言葉が詰まっています。
インターネットで検索すると全文が出ます。滑舌を練習するとあご周りの筋肉が鍛えられて二重あごの防止にもなるのでチャレンジしてみてください。また滑舌を良くするためにタングトリルもやります。タングトリルとは巻き舌のことです。
身体作りのためのエクササイズ
ストレッチ
綺麗な声を出すためには喉や口の周りだけではなく、全身のトレーニングが必要だと思っています。私が声を使う前にしているトレーニングを紹介します。まずは首のストレッチ。前後左右と斜め左右に10秒ずつゆっくりと傾けます。このとき強く引っ張ったりせず無理のない範囲で行います。
それからゆっくりと首を回します。3周したら反対にも3周回します。首を回したら首の筋をよく揉んでほぐします。次に声帯のストレッチです。朝起きた時に声ががさがさになっていることはありませんか。これを私は声帯が寝ている状態と言っています。
体質によって異なりますが人によっては声帯が起きるのに時間がかかる人がいます。声帯を起こすために実践しているのが、息から声に変えるトレーニングです。最初は「え」の口の形を作り声にならない息を吐きます。そのまま息を吐き続けて徐々に声にしていきます。最初はがらがらの「え」という音から、だんだん綺麗な「え」の音になるまで続けます。
筋トレ
お芝居で大きな声を出すこともあるので、安定して声を張りあげられるように筋トレをして体幹を鍛えています。
寝る前の習慣にしているのですが、お風呂上りに開脚などのストレッチをした後、腹筋と背筋と腕立て伏せを30回×3、それから両肘を床につけて1分間身体を支える体幹トレーニングも毎日やっています。偏らずに全身の筋肉をまんべんなく動かすことを心がけています。
スポーツで体幹トレーニング
私が継続して続けているスポーツはバドミントンと水泳と和太鼓です。バドミントンは瞬発力、これは声の仕事にも通じると思っています。ナレーションを録る際は画面に表示されているタイムやディレクターのキューランプサインで喋りだしたりするので、瞬発力が要求されます。しかもバドミントンはスマッシュを打つ際に体重移動やバランス力が大事になってくるので体幹も鍛えられます。
水泳は肺活量の維持のために続けています。以前は週に1度1キロ泳いでいました。もちろん全身の運動にもなるし、有酸素運動をすることで代謝がアップして痩せやすい身体を作ることができます。泳がなくてもプールの中を歩くだけでも健康に効果があります。
和太鼓は集中力を高め、演奏時には感情を一気に爆発させたりするので表現力も身に付けられます。1曲10分近くかかる曲も演奏するのでスタミナと持久力をアップさせることができます。
オリジナルのトレーニング方法を見つけよう
私の自己流のトレーニング方法はいかがでしたか?自分に合ったトレーニングを見つけてチャレンジしてみてくださいね。また、トレーニングに加えて日々の身体のケアもしっかりと行っています。
例えば外出時はのど飴を持ち歩いてマスクをしたり、悪寒などの風邪を引きそうな兆候が少しでもあったら漢方薬や風邪薬を飲んで予防したり、就寝時は加湿器とマスクが必須アイテムです。常に身体が資本だということを心がけています。
- 森優子(もり ゆうこ)
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職業:声優、ナレーター
出身:東京都
誕生日:7月28日
身長:157㎝
血液型:A型
星座:しし座
趣味:和太鼓
特技:バドミントン
資格:赤十字水上安全法救助員Ⅰ
憧れの女性:峰不二子
ひとこと:アクティブ声優の森優子です。宜しくお願いします。