公開日:2018/01/22 

自家製が嬉しい!麹でつくる甘酒のつくり方と調味料アレンジ

甘酒といえば、今や、飲む点滴ともいわれ、栄養価豊富で若い女性にも人気の飲み物。そんな甘酒、実は家で簡単につくれるって知っていましたか?特別な道具いらずで簡単につくれる麹甘酒のつくり方と、甘酒をつかったドレッシングレシピをご紹介します。

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ここ1年ぐらいですっかりわたしたちの生活に浸透した甘酒。

それまでは、甘酒というと、お正月に初詣の帰りに飲むもの。高齢の方や子供が飲むものという印象が強かったのですが、昨今の健康への意識の高まりと発酵食品が注目される中でお砂糖をつかわないヘルシーな飲み物、甘味料として20代~30代の女性にも好んで飲まれるようになりました。

ところで、この甘酒。ヘルシーなイメージが先行しがちですが、実際のところどんな効果があるのか知っていますか?まずは、甘酒の基本的な知識から説明をしていきたいと思います。

市販の甘酒の選び方

甘酒とひとえにいえども、実は市販されている甘酒には、大きく2種類あることご存知でしたか? 1つ目は、酒粕に砂糖やはちみつなどの甘みを加えてつくった甘酒。そしてもう1つが麹を発酵させてつくる甘酒です。

【市販の甘酒の見分け方】
  • 原材料に酒粕とあるもの・・・・お砂糖などの甘味料が添加されているもの
  • 原材料が麹のみ、または麹と米のみのもの・・・麹を発酵させてつくる自然の甘みが特徴のもの。砂糖は添加されていません。
  • 昨今人気の麹甘酒は、後者の麹を発酵させてつくるもののことを指します。発酵によりごはんのでんぷんが糖化することにより自然本来の甘みがでてきます。また、原材料の米麹は、飲む点滴と呼ばれるほど栄養価を豊富に含みます。

    甘酒の栄養価とカロリー

    麹からつくる甘酒は、カリウムとビタミンB1を豊富に含みます。また、酒粕からつくる甘酒は、高たんぱくでビタミンB群、食物繊維を豊富に含みます。ビタミンB群は疲労回復効果や、美肌、ダイエット効果が期待できます。

    カロリーは、どちらの場合もおおよそ100mlあたり81kcal程度。ただし、酒粕甘酒は甘味料を加えるため、その分カロリーも高くなります。

    また、麹からつくる甘酒も、砂糖を加えていないからといって、いくらでも飲んでよいわけではなく、糖分を含むため、1日あたり100mlを目安に牛乳や豆乳などでわって飲むことをおすすめします。

    自家製麹甘酒のつくり方

    甘酒を手作りするといい理由

    市販の甘酒の選び方と基本知識について理解したところで、この甘酒、実は家でつくれることご存知でしたか?

    特に麹からつくる麹甘酒は、自分でつくるとより一層おいしくつくることができます。その理由は、私たちがもっている菌にあります。

    私たちは身の回りに、実は、目には見えないけれども無数の菌をもっています。この菌を常在菌と呼びます。麹を発酵させて作る麹甘酒は、実は麹菌だけでなく、この常在菌の影響を受けて発酵をしています。

    要は私たちの身の回りにある菌が甘酒の味や仕上がりに大いに影響を及ぼすわけです。どんな菌をもっているかによって味がかわってくるため、二つとして同じ仕上がりと味の甘酒はできません。

    例えば、私はこってり甘いものが苦手ですが、私が麹甘酒をつくると、だいたい甘さ控えめのさらっとした甘酒ができあがってきます。それが、手作りをすることの良さだと考えます。

    自宅で麹甘酒をつくるコツ

    実際に自宅で麹甘酒をつくる際には、気をつけたいポイントがあります。それは、温度管理にあります。

    発酵を促すために、温度は50度~60度の間を保つこと。低いと、菌の働きが弱く、発酵に時間がかかります。また、温度が高すぎると、逆に酵素が死んでしまい、発酵しなくなります。

    従って、おおよそ50度~60度の間の温度を8時間保てる環境さえつくれれば、特別な道具がなくても簡単に麹甘酒をつくることが可能です。

    魔法瓶でもできる!甘酒のつくり方

    甘酒は、家にある魔法瓶で簡単につくることができます。温度管理のコツさえつかめば、寝る前に仕込んで翌朝できたてのおいしい甘酒を飲むことだって可能です。

    【魔法瓶でつくる甘酒のつくり方】※350ccの魔法瓶1本分
    1.米麹50g、ごはん50g、水150ccをあわせて鍋で60度になるまで加熱する。
    2.魔法瓶にあらかじめお湯をいれて温めておき、お湯を捨て、1を入れる。蓋をして8時間程そのまま置く。

    もっと活用!自家製甘酒のアレンジ方法

    甘酒を調味料に活用

    自宅で甘酒をつくれるようになったら、次は甘酒をもっと活用する方法を知っておくと便利です。

    一度甘酒をつくると、実は一人では飲みきれないことがあります。そんなときは、甘酒を調味料として活用してみましょう。

    甘酒は、お砂糖と比較してゆるやかな自然本来の甘みが特徴です。お砂糖の代わりに煮物にいれれば、ほっこり優しい甘さが特徴の煮物に仕上がります。

    また、お砂糖の代用としてそのまま料理に加えるほかに、オリーブオイルや、味噌など他の調味料とあわせて使うことにより、調味料としての使用範囲も広がります。

    簡単なのに絶品!人参甘酒ドレッシング

    自家製甘酒のアレンジとしてつかえる簡単でおいしいドレッシングレシピをご紹介します。

    【材料】つくりやすい量
    人参         1/3本
    玉ねぎ        1/4個
    A
    甘酒         大さじ21/2
    米酢         大さじ2
    塩          小さじ1/4
    胡椒         少々
    オリーブオイル    大さじ1

    【作り方】
    1.人参、玉ねぎはそれぞれ皮をむいて一口大に切る。
    2.ミキサーに、1、Aをいれなめらかになるまで攪拌する。
    3.オリーブオイルを少量づつ加えながら泡立て器でしっかり混ぜ乳化させる。

    野菜の甘みがしっかり感じられる食べるドレッシングのような味わいです。作って一晩冷蔵庫に保管すれば、玉ねぎの辛さがやわらぎます。

    自家製の麹甘酒で食卓にバリエーションを

    甘酒は、健康的な飲み物として認知はされているものの、意外に原材料や作り方、そしてその効果までは広く知られていません。いくら健康にいいからといっても、大量摂取は糖分の摂りすぎになるので要注意。一日あたり、100mlを目安に摂取するようにしましょう。

    また、甘酒をスイーツがわりに飲むだけでなく、実は料理にも活用できます。そのまま砂糖がわりに料理につかうこともできますが、他の調味料とあわせて、甘酒をつかった新しい調味料として日常の料理に使えば、料理のバリエーションも広がります。

    栄養価満点な甘酒を、日常の料理にも活用することで、食卓が豊かになるだけでなく、より健康的な生活が送れるようになるとおもいます。

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    Editor's Information

    自家製が嬉しい!麹でつくる甘酒のつくり方と調味料アレンジ
    河合真由子(かわい まゆこ)

    フードスタイリスト、フードコンサルタント

    大学卒業後、流通業界に就職。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。海外滞在中の仕事や日常生活をとおして、食は万国共通のキーワードであることを実感。帰国後、祐成陽子クッキングアートセミナーでフードコーディネーター資格取得後、独立。
    現在は、TV、書籍、広告のスタイリング、メニュー開発、食にまつわる新規事業のコンサルティングを行う。朝のTV番組での仕事がきっかけとなり、OL女子のための朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催

    HP:http://recipeoflife.jp/
    とっておきの朝食会 https://www.facebook.com/choushoku/



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