公開日:2017/02/14
ドライアイはメイクが原因!?「リスキーメイク」と症状チェック
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最近、ドライアイに悩む女性が多くなっているようですが、スマホやパソコンを使う機会が多い女性ほど、「画面の見すぎで目が乾いちゃった…!」と思っているのではないでしょうか?
しかし、ドライアイを加速させる原因は「目の疲れ」だけではありません。毎日のメイクのせいで、ドライアイがグーっと加速してしまうことがあるのです。普段のメイクのせいで目が弱っていたとしたら…。今スグお化粧方法をチェンジしたくなりませんか?
この記事ではドライアイを加速させる危ないメイクの特徴やドライアイの定義、「自分はドライアイなのかどうか」を見極めるチェックをご紹介します。
目次
ドライアイってなに?
まず日本眼科学会によれば、ドライアイの定義は次のようになっています。
涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。現在、日本では約800~2,200万人ものドライアイの患者さんがいるといわれ、オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり年々増加傾向にあります。
3人に1人ものオフィスワーカーがドライアイにさらされているとなれば、他人事とは思えないですよね。どんなメイクだと、ドライアイが加速するリスクが高まるのでしょうか。ひょっとして、あなたのメイクも当てはまるかもしれません。早速、見ていきましょう。
ドライアイを加速させがちな危ないメイク5つ
危ないメイクNo.1『粘膜にアイラインを入れている』
目元をハッキリ見せたい場合、目の粘膜の部分にまでアイライナーを描いてしまう女性もいますよね。でも、まつ毛が生えている内側部分には、「マイボーム腺」と呼ばれる油分を調節する働きがあるので、ここをアイライナーでふさいでしまうと、ドライアイを加速させてしまうことがあるのです。
とくに、最近のアイライナーは「落ちにくい」をウリにしている製品も多く、粘膜にのせると「マイボーム腺」への密封性も高まり危険です。どんなに目元のキワにアイラインをいれて「パッチリアイ」を作りたくても、できるだけ粘膜には描かないよう気をつけてくださいね。
そもそも「マイボーム腺」とはなんでしょう。LIME研究会によると以下のように説明がありました。
『目の健康に「涙」は欠かせないものです。涙には目を乾燥から守ったり、角膜へ酸素や栄養を補給したり、きれいに物を見たり、汚れやゴミを洗い流すなどの働きがあります。 涙はほとんど水分なのですが、その水分が蒸発しないように、表面に一層薄く油の層がのっています。その油を分泌しているのがまぶたの中にあるマイボーム腺です。』
このようなことから、「マイボーム腺」を塞いでしまうメイクだと、ドライアイを悪化させてしまうことが少なくないのです。
危ないメイクNo.2『ウォータプルーフマスカラをまつ毛の根元から塗る』
マツエクをしている女性も多い昨今ではありますが、まだまだマスカラ人気も健在です。
そして、こちらも近年は「落ちにくい」をウリにしているウォータープルーフタイプが定番ですよね。しかし、「落ちにくい」というのは、それだけまつ毛などに密着しやすいということ。根元からしっかり塗りすぎると、やはり「マイボーム腺」を塞いでしまうことがあるのです。
根元からしっかり塗り上げるマスカラは目元を強調してくれるメリットがあるものの、「マイボーム腺」を埋めてしまうことのないよう、気をつけておきましょう。
危ないメイクNo.3『つけまつ毛のノリ(装着材)が多すぎる』
ボリュームがあるフサフサの付けまつ毛も、目元を強調しパッチリとした目に仕上げてくれる便利なアイテム。でも、装着する際にノリ(装着材)をつけすぎてしまえば、粘膜に垂れてしまう危険もあり、場合によっては「マイボーム腺」を塞いでしまうことがあるのです。
ノリのパワーが弱いと、ついついたっぷりのノリ(装着材)でしっかりつけようとしてしまうのですが、「マイボーム腺」に垂れてしまうのは、ドライアイを加速させる引き金にもなりかねません。
つけまつ毛は、目元のキワにつけたほうが仕上がりは美しくなりますが、ノリ(装着材)の使用量は適量を心がけておきましょう。目安としては、つけまつ毛の装着部分に細いライン状に付ける程度がベターです。
危ないメイクNo.4『クレンジングが不十分』
毎日目元のメイクをしている女性のなかには、マツエクをしているせいで「ゴシゴシ洗うわけにはいかない!」って思っている女性もいますよね。でも、アイシャドウにアイライナー、マスカラなどなど、目元のメイクが何層にもなっていませんか?
ゴシゴシと強くあらうとマツエクが取れてしまったり、まつ毛が抜けてしまったりする原因になるので、なるべく優しく洗うよう心がけている女性もいるでしょうが、クレンジングが不十分だとメイクが完全に落ち切らないため、やはり「マイボーム腺」が詰まる要因になりやすいのです。
落としきれなかったメイクは、涙や摩擦などで「マイボーム腺」に流れてしまうことがあるため、毎日のクレンジングがマスト。目元をゴシゴシ洗うのはご法度ですから、コットンにクレンジング材を含ませてまつ毛の流れに沿ってメイクを落としたり、クレンジングクリームやクレンジングミルクを使ったりして、まつ毛の負担を軽減しつつしっかり落とし切るよう意識してみてください。
危ないメイクNo.5『アイライナーのタトゥを入れている』
「毎日アイラインを描くぐらいなら、タトゥを入れたほうがラク」という女性の声もありますが、これもドライアイを加速させやすいNGメイクになります。タトゥは、日本語にすれば「入れ墨」。ですから、アイライナーをタトゥにするということは、目の周りに傷をつけているのも同然なのです。
「タトゥ」という言葉の響きはカタカナということもあり、一見オシャレに聞こえるかもしれませんが、施術の方法によっては「マイボーム腺」を傷つけてしまうリスクもありますし、皮膚に色を入れるというのは異物を取り込むようなものでもあります。「マイボーム腺」に傷がついてしまえば、正常な働きが期待できないですよね。それどころか、目元の炎症を起こすケースも珍しくありません。
ドライアイになっているのかチェックしてみましょう
ここまで、ドライアイを加速させる危険のあるメイクをご紹介してきましたが、あなたはどうでしょう。ご自身がドライアイなのかをカンタンにチェックしてみましょう。
ドライアイになっていると目の潤いを保とうとして、「まばたき」が増えやすくなるのだそう。「まばたき」の回数を計測すると、ご自分がドライアイなのかを判断する目安になります。
マイナビニュースが掲載している慶應義塾大学医学部眼科の坪田一男教授への取材による記事では、以下のような方法でドライアイなのかをチェックできると伝えています。
『自分がドライアイなのかどうかは、どう判断すればいいのだろうか。
坪田氏は、1分間のまばたきをカウントすれば、ドライアイか否かを判断できると説明。リラックス時の1分間のまばたきが、20~22回ならば正常。40回以上になると、ドライアイの疑いが強いという。意識的にまばたきの回数を制約することない状況で、自分でまばたきをカウントすれば、ドライアイかどうかを判断できるというわけだ。』
タイマーを手元に置きながら、鏡を見てまばたきの回数を計測してみましょう。また、前述している日本眼科学会でも、以下のような項目でドライアイなのかを簡易にチェックできると述べています。
『次の項目で該当する症状はいくつあるでしょうか?
□目が疲れる
□目が乾いた感じがする
□ものがかすんで見える
□目に不快感がある
□目が痛い
□目が赤い
□目が重たい感じがする
□涙が出る
□目がかゆい
□光を見るとまぶしい
□目がごろごろする
□めやにがでる
・10秒間チェック
10秒間瞬きをせずに目を開けていられますか?』
引用元:貴方は大丈夫? 1分間に●回以上のまばたきをすると、ドライアイ – マイナビニュース
以上2つのチェックをしてみて、思い当たるところがあればドライアイを患っているリスクが高そうです。心当たりが多かった人は、以下のようなことに気をつけてみるとよいでしょう。
ドライアイの疑いがあるときにすべき3つのこと
対策①『市販の目薬を使う』
ドラッグストアに行くと、ドライアイの症状を和らげる市販の目薬も売られています。「目が乾く」と感じるのであれば、まずは身近な薬局でドライアイ用の目薬を買い、使ってみると症状が緩和することも。できれば専門医を受診するのがベストですが、忙しくて時間がないときにはまずは、市販の目薬で目を潤わせるよう意識してみてください。
対策②『専門医を受診する』
市販の目薬をさして症状が緩和したとしても、やっぱり専門医を受診するほうが安心です。ご自身のドライアイがどのくらい深刻なのか、原因はなんなのかなどは、専門医に相談したほうが納得できる答えが返ってきやすいのではないでしょうか。早めの受診を通じて生活習慣改善のアドバイスを受けられ、ドライアイの症状をこれ以上悪化させないためにも、もっとも有効な対処方法と言えます。
対策③『ドライアイを加速させるメイクをやめる』
ご紹介したような、ドライアイを加速させるメイクをやめるのも、これ以上、症状を悪化させないためには必要です。「そこまで深刻なドライアイではない」と思っている人も、メイクは毎日のことだけに、積み重ねによってジワジワとドライアイを招いているかもしれません。「こっちのほうが可愛く見えるのに!」と考えているとしても、健康を害してまで続けるのは、避けるべきなのではないでしょうか。
ドライアイになりやすい要因
最後に、ドライアイになりやすい要因についても、ご紹介しましょう。メイクによって加速するほか、日本眼科学会では以下のような要因も、ドライアイを招くものとして挙げています。
『(1)年齢
年を重ねると、涙の分泌量や質が低下します。
(2)性別
女性のほうが男性よりドライアイになりやすいことが知られています。
(3)過度のVDT(visual display terminals)作業
パソコン、スマートフォンなど、モニターを見つめる作業を長時間行うことで、ドライアイ症状が起こりやすくなります。
(4)乾燥した環境
冬の乾燥した季節でドライアイが悪化する人は数多くみられます。また、エアコンの吹き出し口に当たるところなどでも症状が悪化します。
(5)コンタクトレンズ
特にソフトコンタクトレンズ装用者では、ドライアイの割合が多いことが知られています。
(6)喫煙
たばこの煙に曝されると、涙の状態が悪くなることが知られています。
(7)内服薬
血圧を下げる薬や向精神薬など「抗コリン作用」を持つ薬では、涙の分泌量が減少することがあります。また、最近ではテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(商品名:ティーエスワン)という抗癌剤によって涙の分泌量が減少することが知られています。
(8)点眼薬
点眼薬の中には、涙の安定性を低下させ、また角膜に障害を与えやすくなる成分が含まれていることがあります。ドライアイでは、点眼薬の中に含まれる防腐剤などによる障害も起こりやすくなります。
(9)マイボーム腺機能不全(MGD)
眼瞼の縁にマイボーム腺という油を出す部位があります。加齢に伴ってマイボーム腺が詰まり、涙にとって重要な油が出にくくなります。
(10)結膜弛緩症
加齢に伴って、結膜部分(白目の部分)が弛み、眼表面で涙が留めにくくなります。また、弛んだ結膜が瞼と触れやすくなり、摩擦によって眼表面に傷がつきやすくなります。
(11)全身の病気に伴うもの
シェーグレン症候群という、涙腺、唾液腺に対する自己免疫疾患では、強いドライアイを生じることがしばしばみられます。』
ドライアイは現代病?
ドライアイという言葉は聞いていても、「自分には関係ない」と思っていたかたもいたのではないでしょうか。
しかし、パソコンなどのデジタルに触れる機会も増えているほか、メイクのクセや年齢も影響が原因で、ドライアイになっている人が少なくないのも現実のようですね。
心当たりがあるかたは、ぜひ早めに対処してください。
- 山口 沙慧(やまぐち さえ)
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美容・ファッションライター。
海外在住経験から日本と海外の美容事情にも精通している。
姿勢改善、骨盤、ココロのケアを得意とするヨガインストラクターとしても活動。年間に試すコスメの数は300を超える。