公開日:2017/02/24 

せっかく始めたのに…ヨガポーズがキマらない人のありがちNG癖5つ

せっかくヨガを始めたのに、「カラダが硬くて、私には合わないみたい…」という声もよく聞きます。ヨガは、ポーズをキメることが目的なのではなく、完成形のポーズを目指す「動き」を通じて、普段は動かさない筋肉や筋を使うことも目的。ですから、ポーズをとれないからと言って、ヨガを諦めてしまうのは、とてももったいないお話なのです。

とは言っても、「やはり、ヨガをしている以上は、ポーズをキメたい!」が、多くの人の願いですよね。この記事では、せっかくヨガを始めたのに、ポーズがキマリにくい人にありがちな「NG癖」を5つご紹介していきましょう。

カラダが全体的に「リキんでいる」

どんなポーズにも力を入れるべき部分と抜くべき部分があります。ポーズがキマらない人は、カラダの「リキみ」のせいで、全体的に「ムダなチカラ」が入ってしまってはいませんでしょうか?余計なリキみを外していく意識が、ムリなくポーズをとる秘訣です。

そのポーズを行う目的や動きをしっかりと理解できれば、おのずと「伸ばす」「抜く」の基本的ステップが叶うので、ポーズも決まりやすくなります。そして、カラダにリキみ癖があると、ヨガのポーズがキマらないだけでなく、偏頭痛を引き起こす要因にもなりえるのです。

健康サイト“日経グッデイ”では、脱力と偏頭痛の関係を次のように紹介しています。

『例えば、仕事中はパソコン画面とにらめっこ。しかも使うのは頭と腕、指先ばかり。こんな生活習慣がいつしか余分な力みや緊張を与え、体と心の凝りにつながるという。
そこで、現代人の“偏り疲労”の解消に第一に必要なのが、「脱力」だ。「脱力するといっても、体の一部分に力みがあると難しい。まずは全身に力をギューッと入れてから抜くことで、脱力のコツを体で覚えることが大切です』

引用元:疲れ:イライラも、モヤモヤも、3分でリセット!:朝夜3分 ヨガ式脱力ストレッチで体と心の凝りほぐし:日経Gooday(グッデイ)

この記事で紹介されている「脱力」はヨガのポーズを行う上でも重要な考え方。

「抜く」の感覚をつかむためには、まずはギューっとリキんでから、スーッとチカラを抜いてください。そのスーッと抜けた状態が、ヨガで求められている「抜く」の考え方です。ポーズをキメるという目的で「伸ばす」「抜く」の考え方を意識すると、偏頭痛予防対策にもなって一石二鳥ですね。

「呼吸」と「動作」が合っていない

インストラクターのいるクラスを受講したことのある人ならわかるはずですが、ヨガでは、動作と呼吸のタイミングを重視します。ところが、本やDVDを見ながら独学でヨガをしている人の中には、ポーズばかりに意識が向いてしまい、呼吸がおろそかになっている人もいます。

でも、呼吸はヨガの基本なので、「吸って」「吐く」という単純な動きにも、大きな意味があるのです。呼吸を止めてしまったり、「苦しいから」と過呼吸になってしまったりすると、うまくポーズができずに余分な苦痛を感じる人もいます。

そして、ヨガの呼吸法で代表的なものは以下の6つ。それぞれ、ヨガの流派やポーズによって、使用する呼吸法が異なります。

腹式呼吸

息を吸いながらお腹を膨らませ、吐くときにへこませる呼吸法を、腹式呼吸といいます。これは息を吸った分、肺の下にある横隔膜が押され、お腹が膨らみ、息を吐くとその逆になるためです。腹式呼吸は、副交感神経を活発にする働きがあり、気持ちを落ち着けたり、リラックスしたいときに効果的です。

ヨガのポーズや動きをとりながらの呼吸は、この呼吸法が推奨されることが多くあります(但し、呼吸を止めることが一番いけないことなので、慣れないうちは腹式呼吸ではなく、呼吸を続けることにだけ意識を向けましょう)。

胸式呼吸

腹式呼吸が、お腹のふくらみ/へこみであるのに対し、こちらは肺のやや上部である胸の部分に息を送り込むことで、胸がふくらみ(肋骨が広がり)、息を吐くことで戻る、というものです。胸式呼吸は、交感神経を活発にする働きがあり、カラダをリフレッシュしたいときに行うとよいでしょう。

この呼吸法は、ポーズを取る準備段階で行うことが多く、腹式呼吸と合わせて、座って(もしくは仰向けに寝て)行い、カラダの準備や集中力を高めます。

片鼻呼吸(ナーディ・ショーダナ)

片鼻呼吸法は、左右の鼻の穴で、交互に息を吸ったり吐いたりするものです。右手の中指と人差し指を軽く曲げて顔の前にささげます。まず親指で右鼻を押さえ左鼻から吸って、薬指で左鼻を押さえ親指を離し右鼻で吐きます。そのまま右鼻から吸って、親指で右鼻を押さえて薬指を離し左鼻から吐きます。このサイクルを数回繰り返します。

この呼吸もヨガの動きとは連動せず、座って単独で行います。右鼻から吸うときはカラダを温め、左鼻から吸うときはカラダを冷やし、左右の鼻で交互に呼吸を行うことで、カラダのバランスを整える効果があると言われています。

ウジャイ呼吸

勝利の呼吸とも呼ばれる力強い呼吸法。吐くときに、喉や鼻の奥の気管を細くするイメージで圧をかけます。分かりやすい例として、寒いときに自分の手のひらを温めようと「はー」っと息を吹きかける要領で、そのまま口を閉じ、鼻から息を出す感じです。息を吐くときに「フー」と音がでる人もいるでしょう。アシュタンガヨガはこの呼吸で行います。呼吸単独で行っても効果的。カラダを温める効果があるので、血流循環や内臓器官の活性化にもよいと言われています。

カパラバティ呼吸法

短いスパンで素早く「フ、フ、フ、フ」と腹筋を収縮させながら、鼻から息を吐きつづける呼吸です。息を吸うことも素早く行うことになりますが、こちらは意識せず、吐くことに集中します。呼吸を使って、肺や横隔膜、腹筋などを積極的に動かすので、血行がよくなり、スッキリする効果が期待できます。この呼吸法単独で行います。但し、高血圧の人や妊娠中の人、病後間もない方には、カラダへの負担が大きくなることがあるので、注意が必要です。

シータリー呼吸

ヨガでは『鼻から吸って鼻から吐く』のが基本ですが、シータリー呼吸は『口から吸って鼻から吐く』方法です。息を吸うときは、ストローを作るように舌を丸めて口から出し、そこから息を吸います。息を吐くときは、鼻から自然に吐きます。舌を通して吸うことにより、気化熱を利用し、冷たい空気を体内に取り入れ、鼻から体内の温かい空気を吐き出す、というもので、体温を下げる効果があると言われています。こちらもヨガの動きと連動させるのではなく、シータリー呼吸単独で行います。眠気覚ましや、頭をスッキリさせたいときに効果的です。』

引用元:ヨガの呼吸法|代表的な6つの方法 | yoga | yoggy magazine

もし、独学でヨガをしていて、ポーズが「苦しい」と感じるなら、ポーズに合った呼吸法ができているか、今一度確認してみてください。参考にする本やDVDを選ぶときには、呼吸についても丁寧な説明が入っているものを選びましょう。

また、インストラクターのいるクラスを受講しているならば、苦手なポースの呼吸法を質問すると、今までキマらなかったポーズでも、完成形を目指すヒントになります。

「満腹」な状態でヨガをする

ヨガを終えると、「運動した?!」という充実感もあって、お腹が空いてしまう人も多いのではないでしょうか?「終わったらお腹が空いちゃうのはイヤだから」と、ヨガ前に腹ごしらえをして、クラスを受けようとする人もいます。

でも、ヨガを行う前は、できれば2時間は食事をしないよう推奨されています。これは、ヨガによる内臓への負担を減らすため。内臓への負担が大きくなると、それだけ血液の巡りが悪くなるため、ポーズをしていて「苦しい」「辛い」と感じることが多くなります。そして、ヨガの効果についても、空腹時に行うほうがメリットが大きいと言われています。

(出典:yoggy magazine)

『ヨガは、静止しているポーズが多いのですが、そのポーズを保持している中で多くの筋肉を使っています。特に胴体、筋肉量の多い体幹筋や脚の筋肉の活動を必要とするポーズが多いのです。そのため、食後すぐにヨガを行うと、体幹筋や脚の筋肉へ十分な血液を送ることができず、ポーズを保持するための筋肉が十分に活動することが難しくなるようです。』

運動後にお腹が空いてしまうのを避けたくても、満腹の状態で始めてしまえば、それだけポーズをキメにくくなってしまうのです。

「空腹すぎる状態」でヨガをする

先ほど、「満腹の状態でヨガをするのはダメ」とお伝えしましたが、空腹すぎる状態でも効果が出にくいので、注意しましょう。実は、効果的にヨガをするためには「前後2時間」は食事を避けるのが定説。空腹すぎる状態でのヨガは、血糖値が足りずにカラダの動きが鈍くなりやすいのです。これでは、ポーズを行いにくくなってしまいますよね。

『筋肉は一般的に、活動する際に糖分をエネルギー源として使用します。その糖分がかなり少ない状態でヨガを行うと、食後すぐの場合にヨガを行うのとは少々異なりますが、やはり筋肉がエネルギー源を得られない状態になるため、やはり筋肉は活動しづらくなります。医学的に筋肉が十分に活動するためには、やはり血糖値が比較的高い状態にある時間帯に運動を行うことが大切です。
ではどの時間帯が、血糖値が高い状態にあるのかというと、それが食後1~2時間後と言われています。筋肉が糖分を吸収するために必要なホルモンであるインスリンの分泌量も多く、血液中の糖分を効率的に吸収、利用することが可能な時間帯であるといえます。ヨガを行うのであれば、やはり食後2時間程度経過した時間帯が良いといえるでしょう。』

(出典:日経Gooday(グッデイ))

つまり、満腹も空腹すぎる状態もヨガのポーズが行いにくいと言えるのです。心がけとしては、ヨガをする「前後の2時間」は、できるだけ食事を控えてください。どうしても空腹なら、消化の良いスープ類やゼリー状の栄養補給食を摂ると、満腹や空腹すぎる状態でのヨガを避けられます。

カラダの「重心」が外に逃げている

ヨガのポーズのほとんどは、重心をカラダの内側にもってくるよう気をつけると、完成しやすくなります。ポーズの形だけを追ってしまうと、重心への意識が向かなくなる人もいますが、できるだけカラダの体幹、つまり「芯」に重心が集まるような気持ちで、カラダを動かす心がけが大切です。

重心が外に逃げてしまうと、グラグラしたり伸びが弱まったりするので、どうしてもポーズがキマリにくくなります。「内側に重心を集める」の意味が理解しにくい場合には、おへその周辺にある「丹田」と呼ばれる部分に、チカラを寄せるようイメージしましょう。

「丹田」ってどこにあるの?

丹田は、ひと言で言えば「おへその奥」の部分。人によってもことなりますが、おへそから約5~9センチ下の奥の方、というイメージです。お尻のあなにぐっとチカラをいれるとお腹の奥のほうがぎゅっと固くなる感じがあると思いますが、そのあたりが「丹田」だといわれています。「小腸」や「胃」などようにカラダの部位ではなく、目に見えない部分をさすのですが、ヨガの世界では丹田に意識をむけることはとても重要なことなのです。

「丹田」に重心を集めるには、カラダの内側に意識を向けたときに、「おへその奥」をイメージしながらチカラを入れます。この時に、カラダの重みが集中する感覚がある場所です。丹田に意識をチカラを集める動きは、実際にやってみないとイメージしにくいところもあるので、以下にご紹介する方法を、まずは試してみてください。

  1. 上をむいておへそのあたりに意識を向けながら、ゆっくり息を吸います。
  2. 背中は床につけたまま、吸うときと同じ長さで息を吐きながら、頭だけをあげておへそをのぞきこんでください。腹筋をしているようなイメージです。
  3. そこから5センチ程度背中だけをあげながらおへそをもっとのぞきこみ、息をはききります。
  4. 床に頭を下ろして再び息を吸い、リラックス。息をはいている間、丹田にチカラが集まってくる感覚がわかると思いますので、これを何度か繰り返してみて下さい。

今回の記事では、ヨガを始めても「ポーズがキマらない!」と感じている人にありがちな癖をご紹介しました。上にあげた5つのほか、「キツいウェアを着てのヨガ」もポーズを行いにくくする原因になります。ヨガはカラダ全体を動かすので、カラダをギュッと締め付けるウェアは避けてくださいね。

ヨガは、呼吸と動作が一体となって初めて、その効果を実感できます。「カラダが硬いからポーズがキマらない」と悩む人の原因は、柔軟性ではなく、意外なNG癖が関係していることもあるのです。せっかくヨガを始めるのであれば、NG癖を見直して、気持ちよくポーズを行なっていきましょう。

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Editor's Information

せっかく始めたのに…ヨガポーズがキマらない人のありがちNG癖5つ
山口 沙慧(やまぐち さえ)
美容・ファッションライター。
海外在住経験から日本と海外の美容事情にも精通している。
姿勢改善、骨盤、ココロのケアを得意とするヨガインストラクターとしても活動。年間に試すコスメの数は300を超える。


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