公開日:2017/05/24
アトピー肌にはどんな保湿が良い?スキンケアのコツを伝授!
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アトピー性皮膚炎をわずらうと、かゆみに悩まされたり、人目が気になったりと辛いことも多くあります。症状が緩和するよう、自分で実践できるのが保湿ケアです。具体的にどのようなことを実践すればよいか、ご紹介していきます。
アトピー肌のための保湿について
アトピー肌って具体的になにがどうなってるの?
アトピー性皮膚炎の主な症状はなかなか治らない「かゆみ」と「湿疹」で、それらが半年以上にわたって続くようだと慢性だと判断されます。湿疹は主に頭部や手足の関節の内側にできやすく、かくと皮がむけたり液体が出てきたり、さらに時間がたつと硬くなってゴワゴワするといった特徴があります。
そもそもアトピー性皮膚炎に陥りやすいのは、もともとアレルギー体質である人や、皮膚のバリア機能が弱い人です。それらの要因を持っている人の持つ免疫機能が外的要因に対して過剰に反応し、元々は問題にならないような対象まで退治しようとして炎症を起こしてしまうことがアトピー性皮膚炎の発生の流れです。
保湿のカギを握るセラミドとは?
肌の表面に位置する角質層にあるセラミドには、保湿効果や外部の刺激から肌を守る働きがあります。角質層は、角質細胞が積み重なって成り立っており、細胞と細胞をくっつける働きをしているのが脂質のセラミドです。アトピー性皮膚炎の人の角質層を見るとセラミドが少なく、そのため肌の状態が不安定で、ダメージを受けやすくなっています。
バリア機能が低下していて、刺激を受けるとかゆみを感じます。肌の深層部の水分が失われやすく、さらに乾燥が進んでしまいます。保湿対策として、セラミド配合の保湿液を使うことをオススメします。セラミドは、角質層のターンオーバーの際に生成されます。暴飲暴食をせず、睡眠不足にならないようにして、肌の新陳代謝がきちんと行われるようにしましょう。
保湿剤にはどんな成分や働きがあるの?
肌の水分を保持する保湿剤は、3種類あります。1つ目は、外気中の水分を吸着する保湿液です。湿度が高い日に優れた保湿効果を発揮します。アミノ酸類、グリセリン、尿素が該当しますが、尿素は刺激があるため、フェイスケアに使用するのは避けましょう。
2つ目は、水分を取り込み保持する保湿液です。角質層で水分を保持し、湿度に関係なく保湿効果を発揮します。ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンが2つ目の部類に入ります。ヒアルロン酸は、肌の上でNMF(天然保湿因子)のような働きをしてくれます。
3つ目は、水分をはさんで保持する保湿液です。角質層において細胞の間に存在する脂質は、水分をはさんで水気を保っているので保湿成分があり、セラミド、スフィンゴ脂質、水素添加大豆レシチンなどが該当します。
季節ごとに異なる保湿ケアをしよう
春と夏に実践すべきアトピー肌用ケア
お肌の状態は季節に大きく左右されますが、春夏秋冬それぞれのアトピー肌ケアのポイントは何でしょうか。春の晴れた日は、紫外線が強くなっていますので、ダメージを受けないよう、全身の保湿をしてお肌を保護したいですね。暑くても半袖よりも長袖の洋服を選ぶとよいでしょう。また、洋服の素材は、肌を刺激する化学繊維よりも、保湿効果がある綿、麻、絹などの天然素材がオススメです。
春は入学や引越しなどで環境が変わる時期です。新しい環境に馴染めずストレスを溜めこむと、アトピーが悪化しかねないので、ストレス発散を心がけて下さい。夏に汗をかくと、かゆみが出たりします。また暑さもかゆみを引き起こすので、アトピー肌にとって夏は辛い季節かもしれませんが、汗をかいたら、シャワーやお風呂に入り、肌を清潔に保ち保湿しましょう。
秋冬は乾燥に気をつけて!保湿のポイント
秋になると湿度がぐっと下がり、空気が乾燥します。皮脂の分泌も少なくなり、夏の間使っていたスキンケア用品では十分な保湿ができません。秋になったら保水と保湿を心掛け、保水で肌に水分を与えた後に、クリームやワセリンで保湿をするようにしましょう。冬は汗をかく機会が減りますが、これが肌のバリア機能低下につながります。
汗をかくと、皮脂と混ざり皮脂膜を形成し、肌を守ってくれるのですが、汗をかかないと皮脂膜ができないため、お風呂に入ったり、スポーツで体を動かして汗をかくようにしましょう。冬は、肌のバリア機能を整えつつ、クリームやオイルで油分を与えます。クリームには水分と油分両方が含まれていますが、オイルは水分を含まないため、保水ケアをした後にオイルを塗ります。そうすることで水分の蒸発を防いでくれます。
見落としがち!年末年始は油断大敵!
四季とはまた違いますが、年度末から年始にかけてアトピー性皮膚炎が悪化するケースもあります。まず第一の理由は食べ物にあるようで、クリスマスにはケーキやお菓子といった甘いものをたくさん食べたり、お正月は豆、魚卵、おもちといった食材を摂取する機会が増えてしまいます。これらの食べ物はかゆみや湿疹を長引かせる要因となるので、注意しましょう。
また、この時期は年末ということもあって仕事によるストレスがたまりやすい時期であり、また逆に忘年会などでよく遊び、夜更かしをしやすい時期でもあります。ストレスと夜更かしはたとえ健康な肌であっても大敵であるのに、アトピー性皮膚炎を患っているのであればなおさらです。気持ちよく年末年始を迎えられるように気を付けましょう。
入浴法、保湿成分、食生活の見直し
アトピーを悪化させない入浴方法
アトピー肌に適した入浴法とは、アトピーにかかると、患部をかばうように入浴されるかもしれませんが、ステロイドの油分が残ったまま薬を重ね塗りしてしまうと、重ね塗りした薬が効果を発揮できません。入浴の際に薬を落とすようにすればアトピーの改善につながりますが、ゴシゴシ洗いで皮膚を傷つけることは厳禁です。
皮膚に黄色ブドウ球菌が増殖すると、アトピーの原因となるといわれていますので、入浴して皮膚を清潔に保つことはアトピー肌にとって大切なことです。お湯の温度はぬるめの39度以下、入浴時間は1時間未満が適切です。入浴後は、すぐにオイルを塗るか、タオルで体を拭いたら化粧水やワセリンで保湿するといいでしょう。
スクワランとアロエの保湿効果
スクワランオイルとは、深海鮫の肝油に含まれるスクワレンを加工したオイルで、アトピー肌にさまざまな効果をもたらし、保湿力や殺菌作用、鎮静作用で、浸透力にすぐれ、アトピーの辛いかゆみを緩和してくれます。さらに、新陳代謝を活発にするため、肌のターンオーバーを促し、肌を整えてくれます。薬剤をつけた後にスクワランを塗ると、薬の有効成分が体内により浸透するようになるようです。
スクワランオイルは、化学物質を含まない純粋なオイルが多く販売されているのも魅力です。アロエもアトピー肌への効果を期待できます。お風呂上がりなど皮膚が湿っている時に、アロエを配合した保湿剤を肌にたっぷり塗ると、アロエの保湿効果でかゆみや炎症を抑えます。アロエが持つ抗菌作用や殺菌作用により、症状の悪化を防ぐことが可能です。
食生活を見直すとお肌の状態も変化する?
こんにゃく芋に含まれている植物性グルコシルセラミドは、体内でのセラミド合成を促し、荒れた肌の改善に効果を発揮するとの研究結果が出ています。肌の保湿効果が高まると、アトピーの症状緩和が期待できます。
市販されているこんにゃくのうち、こんにゃくの粉から作られたものではなく、生芋から作られた生芋こんにゃくには、植物性グルコシルセラミドが豊富に含まれているので、食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
中国の薬膳料理は、アトピー改善に効果的な食材を使用しています。薬膳では、体を温める、免疫力を高める、整腸作用といった食材の持つ力に着目し、体の不調を改善することができそうです。また、旬の素材を取り入れ、免疫力を高める食材を普段の料理にこれらの食材をプラスしてもいいかもしれません。
アトピー肌の症状緩和には保湿が不可欠
アトピー肌には、保湿ケアが大切であることがお分かりいただけたでしょうか?
- 入浴後は肌が乾燥するため、できるだけ早く保湿ケアをする
- 春夏秋冬それぞれの季節に合わせて、保湿ケアも変える
- 医師と相談のうえ、薬物療法と並行して食生活を改善する
以上の保湿のコツを押さえて実践してみて下さい。