公開日:2017/06/15
栄養補給や健康維持におすすめ!カルシウムサプリの注意点
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体内に吸収されにくいカルシウムは、健やかな成長や健康のために欠かせない栄養素としても知られています。最近は手軽にかつ体内へ吸収しやすいカルシウムサプリが人気ですが、その効果と注意点についてご紹介します。
カルシウムはどのような栄養素?
カルシウムの身体への働きとは
カルシウムは、人体を構成する大切なミネラルの1つ、人間の歯や骨の炭酸塩やリン酸塩として使われることで健やかな状態を保ちます。食事から摂取するカルシウムが不足すると血中に溶け出し、血中で必要となる機能カルシウムを補充するようになります。
長期間カルシウムが不足してしまうと、歯や骨を維持するための貯蔵カルシウムが無くなり、骨粗しょう症につながってしまう場合も考えられます。さらにカルシウムは糖尿病を予防することでも大切です。カルシウムはインスリンを分泌する量を調節する役割を持っています。
食後など血糖値が高まるとき、肝臓へインスリン分泌するよう働きかけ糖をエネルギーへ変換するのです。カルシウムが不足し上手に働きかけられない場合「インスリン非依存型糖尿病」におちいってしまうケースもあります。
成人女性に必要なカルシウム摂取量とは
カルシウムをとることは身体にとても効果的ですが、日々どの程度摂取すれば良いのでしょうか。厚生労働省が示したデータによると、成人で1日に約600mgとされています。この数値は必要最小限の摂取量ですので、理想的な摂取量は1日に約800~1000㎎が望ましいでしょう。
成人女性の1日あたりの必要最低限のカルシウム摂取量は約600~650mgだといわれています。しかし、現実には平均して約500mgしか摂取できていないという数値が報告されているようです。
さらに、女性はライフタイムにおいて妊娠や出産、閉経などを経験することがあります。妊娠中は胎児へカルシウムが移行することや、閉経の時期は骨量が低下するとされています。そのため、女性は男性にくらべて、約500mg程度上乗せした摂取が望ましいでしょう。
なぜ日本人はカルシウム不足に陥るの?
日本人は、海外の方とくらべると、カルシウム不足になりやすいといわれています。それには日本の文化的背景や生活に影響があるとされています。日本で使用されている水の種類は、主に軟水です。実は軟水にはカルシウムの含有量が多くないというデータが出ています。
一方で、海外で使われる水は硬水、大多数を占めています。硬水は軟水に比べて、カルシウムの含有量が多いだけではなく、海外では作物なども硬水で育てられるため、食生活でもカルシウムを多く含んだものを摂取する機会が多くなるのです。
また、日本でも海外の食品も数多く販売されていますが、これらの食品はカルシウムの含有量が多いことがあります。海外の食品と比較して、日本の食品は乳製品が含まれることが少ないこともあり、普段の食事からカルシウム不足に陥る可能性も高いとされています。
手軽で便利!カルシウムサプリの効果
飲むだけでカルシウムを補うことができる
カルシウムが不足しやすい原因として、体内で吸収されにくいということもあげられます。実はカルシウムは摂取した内の吸収率が約15%~50%といわれているのです。そのため野菜や乳製品などカルシウムを多く含む食材とっても、理想とする摂取量に追いつくことは難しいでしょう。
そのためカルシウムを摂取量を満たすためには、日々の食事だけでは困難なことも多く、カルシウム不足とされる方は全体約60%にものぼるとされています。それだけカルシウムを理想的に摂取することが難しいという現れだともいえるでしょう。
そこで推奨されているのが「カルシウムサプリ」の存在です。カルシウムサプリは、いつでも場所を選ばず飲むことができ、不足しがちな栄養素を補うことができます。
マグネシウム類も含まれているものが多い
カルシウムサプリには、マグネシウム類も一緒に配合されているものもあります。マグネシウムを始めとするミネラルは、カルシウムとの相乗効果があることがわかっています。
マグネシウムとカルシウムの理想的な摂取割合である、2対1の比率を守ることで歯や骨の貯蔵カルシウムを維持してくれるのです。しかしカルシウムをとり過ぎてしまうと、体内のマグネシウムが減少してしまうという性質も持ち合わせています。
そのためカルシウムサプリを選ぶときには、マグネシウムも配合されている製品を選ぶことが効果的になるのです。この他にも亜鉛やビタミンDにもカルシウムへの相乗効果が期待できるため、一緒にとるようにするのが望ましいでしょう。
妊娠中や更年期に効果がある場合も
カルシウムは、妊娠中や更年期には特に摂取した方が良いといわれています。妊娠中は、胎児の骨や歯を作るために多くのカルシウムが必要となります。
妊娠中はカルシウムは母体から移行されますが、不足してしまうと母親の骨や歯からカルシウムが溶け出して、胎児へと流れてしまいます。そのため母親の骨密度が低下し、最悪骨折してしまうことも考えられます。
閉経を迎える時期に差し掛かる更年期には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下します。エストロゲンはカルシウムの吸収を促し、骨を強くする働きを持っています。年齢によりこのしくみが上手く機能しなくなってしまうため、骨がもろくなってしまうことがあります。
現在妊娠中の方や更年期の方はカルシウムサプリを飲むことで、不足しがちなカルシウムを補い健康を維持することが可能になります。
気をつけて!カルシウムサプリの注意点
サプリを過剰に摂り過ぎるのはNG
カルシウムサプリは、食事をとるより簡単なため、つい飲み過ぎてしまうこともあるでしょう。基本的にサプリの過剰摂取は危険です。カルシウムは私たちの健康にとても効果的なものですが、とり過ぎるとさまざまな問題や疾患につながってしまう場合があります。
たとえば、カルシウムをとり過ぎた場合はマグネシウムが不足してしまうことが考えられます。カルシウムとマグネシウムのバランスは、前述の通り2対1の割合が良いといわれており、バランスが崩れてしまうことで心臓への不具合などが起こることがあります。
また、カルシウムの摂取量が高まりすぎると高カルシウム血症になることがあり、便秘や下痢、頭痛などが生じることもあります。ひどくなると、骨痛や不整脈などにおちいることがあるといわれています。
サプリと飲み合わせが悪い薬もある
カルシウムサプリを摂取する際に気をつけたいことが、他の薬との飲み合わせです。飲んでいる薬によっては、悪影響を与える可能性があるので注意しましょう。たとえば、抗生物質のキノロンやチアジド系利尿薬、フェニトインなどは飲み合わせが悪いといわれているため、避ける必要があります。
このようにカルシウムサプリとの飲み合わせが悪い場合もあるので、事前に医師や薬剤師と相談した上で摂取するのが望ましいでしょう。このとき、服用している薬の成分が分からない場合は、処方せんなどを持っていくと医師もアドバイスがしやすくなるので用意しておきましょう。
サプリだけに頼りすぎないように心がける
カルシウムサプリは手軽の飲むことができ栄養を補うことができるのでつい頼りがちになってしまいます。カルシウムを摂取する上で大事なのは食事とサプリとのバランスをとることです。
食事からも効率よく摂取するためには、カルシウムの吸収を手助けしてくれる食材と一緒に食べること!カルシウムの吸収を良くしてくれる食材としては、クエン酸が多く含まれているりんごやレモン、タンパク質が含まれている魚介類などです。
一方で、肉類やスナック菓子などに含まれているリン、カップラーメンなどに含まれているナトリウムに関してはとり過ぎると体内のカルシウムを排出してしまいます。日々の食事を見直すことも大事ですね。
カルシウムサプリを上手く生活にとり入れよう
私たちの日常に不足しがちなカルシウム、サプリで手軽に補うことができればうれしいですよね。
- カルシウムは体内で歯や骨の健康を維持してくれる働きがあります
- カルシウムをとることで「インスリン非依存型」糖尿病を予防することができます
- カルシウムサプリは摂取量を守ることが大切です
- カルシウムサプリに頼りすぎず、日々の食事も見直してみましょう
ぜひ日々の生活にとりいれて上手にサプリを活用してみましょう。